2024年度 夏合宿 北アルプス裏銀座縦走

2024-08-10
〈実施日〉8/9(金)夜~8/12(月)

〈メンバー〉
ひーぼーさん(L)、まろんさん(SL)、スマイルさん、トシさん、オーさん、カスタムさん、てつくん(記録)

コースタイム
〈8/10〉8:25高瀬ダム上~8:49ブナ立尾根登山口~14:00烏帽子小屋テント場

〈8/11〉4:13烏帽子小屋~8:33野口五郎岳~12:27水晶岳~15:24鷲羽岳~16:41三俣小屋テント場

〈8/12〉5:43三俣小屋~7:00三俣蓮華岳~8:48双六岳~11:54明神平~16:22新穂高登山指導センター

私、てつくんは夏合宿には初参加。テン泊縦走は30年ぶりと不安ばかりでしたが、リーダーのひーぼーさんの「一緒に楽しみましょう」という言葉を励みにボッカトレを続けて当日に臨みました。
8/9は車2台でそれぞれ20時前後に大阪を出発。梓川SAで落ち合い、小宴会のあと2時半ごろに車中で眠りにつきました。

1日目(8/10)
4時前に起床。豊科の南安タクシーに車を預け、大型タクシーで七倉山荘へ。そこで専用タクシーに乗り換えるのですが、すでに行列。1時間並んでようやくタクシーに乗ったものの、途中の土砂崩れ区間1.4kmは歩かされ(すでに土砂は取り払われて車は通れるのに)、高瀬ダムに着いたのはもう8時を大幅に過ぎていました。
そこからようやく登山開始です。トンネルを抜け、ゴーロ帯を過ぎたところがブナ立尾根登山口。日本三大急登のひとつだそうで、樹林帯の中をゆっくりとジグザグに高度を稼いでいきます。気温は曇っていることもありトレーニングをした六甲とは比べ物にならないぐらい涼しく、休めば汗が引く程度。それでもカスタムさんが熱中症にかかったのか吐き気がするということで休みながら登ったら中盤からは回復して元気になられました。が、それと交代するように今度は僕の息が続かなくなってきます。いつもそうなんですが、2千メートル前後から高山病の症状が出てしまうんです。ひーぼーさんとマロンさんが僕の共同装備や水を持ってくれて(申し訳ない💦)、ゆっくりと歩を進めます。そして終盤はテント場確保のために2人が先に行ってくれました。到着した烏帽子小屋のテント場はすごい密度で、緩やかな斜面に分散した50張ぐらいのスペースに80張ぐらい張ってる感じ。ひーぼーさんとマロンさんのおかげでなんとか場所を空けてもらえましたが、その後に来た人はサイトの外の笹の上に張っている人もいました。
2つのテントを張った後は小屋前のベンチに移動して味噌鍋の夕食と宴会です。疲れた体に野菜味噌の味がたまらなく美味しく、いつもはできないような深い話もできてとても楽しませてもらいました。
ガスってしまって夕日は見られませんでしたが、夜中にトイレに起きた時は満点の星空!天の川がくっきり見えていました。

2日目(8/11)
2時半に起きて餅入り雑炊を食べてからテントを撤収。4時過ぎに出発です。この日はまた次のテント場が心配なため、ひーぼーさんとマロンさんは3時前に出発して先を急いでくれました。2人には頭が上がりません。
歩き始めた稜線はちょうど烏帽子小屋辺りから森林限界を超えていて眺めは最高。東の空がどんどん明るくなり5時過ぎに朝日が顔を出しました。ただただ感動。
しかし僕の高山病は変わらず、すぐ息が切れてノロノロとしか登れません。おかげで野口五郎岳までコースタイムの1.5倍近くかかってしまいました。ただ、バテたわけではないので下りはそこそこ歩けます。右に赤牛岳や水晶岳、左に鷲羽岳の絶景を眺めながら早足で下ってまたゆっくりと登り返し、コースタイムより少し遅い程度で水晶小屋に到着。そこで5人で協議をし、無理かもと言っていた水晶岳の山頂にスマイルさん以外の4人でトライすることになりました。後の行程が若干心配ではありましたが、空身で往復なら何とかなりそうです。結果、皆さんほどのスピードでは歩けませんでしたがコースタイムより早く30分で山頂に立つことができました! 直前に曇ってしまって景色はイマイチでしたが、午前中に景色は十分堪能しましたし大満足です。
写真だけ撮って大急ぎで小屋まで戻り、再びザックを背負って出発。コルまで緩やかに下り、岩場をゆっくりと登り返して今回のもう一つの百名山、鷲羽岳の山頂に到着しました。ここはガスってしまって周囲は真っ白でしたが、この達成感以上の何かを求めるのは贅沢というものですよね。
ここから三俣までは長い長い下り。膝を痛めないようストックをしっかり突きながら歩きます。朝歩き始めてから12時間あまり、小屋の手前までひーぼーさんとマロンさんが出迎えてくれた時にはありがたさと嬉しさと気の緩みで泣きそうになってしまいました。それまで何とか歩けていたのに一気に疲れが出てテント場でうずくまってしまい、やっと立つことができた時にはテント張りの作業はほとんど終わっていました。皆さんごめんなさい。
夕食はまた小屋前のベンチを陣取って各自持参したカレーライスやカップ麺をいただきます。スマイルさんにいただいた干しホタルイカを炙って食べるのがめちゃくちゃおいしかったです。ごちそうさまでした!
テントは2人のおかげで3つ張れたので広々。星を見たかったですが疲れが勝ち、夜中に起きることなくぐっすり眠りました。
夜明け前の雲海とおーさん

3日目(8/12)
3時半に起きてテントを撤収し、4時半に小屋前に集合。みんなで朝日に照らされる山々を眺めながら餅入りラーメンをいただきます。今日は3つある下山コースのうち縦走コースを選びましたが、三俣蓮華岳から双六岳の稜線歩きは昨日に続いて絶景続き。右手には黒部五郎岳が聳え、雲海の向こうに白山。左後ろは昨日登った鷲羽岳や水晶岳が、左前には槍穂山群の勇姿が望めます。双六岳からの下りはカスタムさんおススメの「天空の滑走路」。槍ヶ岳に向かって登山道が真っ直ぐに続く景色はこの山行のクライマックスにふさわしいものでした。
双六小屋で大休止を取ってからは明神平を経て一気に下り、小池新道登山口からは長い長い林道歩き。新穂高に16時過ぎに到着すると深山荘の駐車場にはちゃんと車が回送されてきていました。
三俣蓮華岳にて
天空の滑走路を歩くカスタムさん

今回同行してくださった皆様、僕のノロノロ歩きに付き合ってくださってありがとうございました。そして企画からボッカ、テント場確保と走り回ってくれたひーぼーさんとマロンさん、お二人がいなければ僕には今回のようなテン泊縦走は到底叶いませんでした。貴重な体験をさせてもらい、本当にありがとうございました!