大峯奥駆道(5分の4で途中リタイア)その3
2021-05-02
3日目(5/2) 天気:早朝曇り、のち午前7時頃から強風とあられ、雨
弥山小屋5:28発~八経ケ岳5:55~弥山辻6:08着6:12発~楊枝ケ宿8:10着8:25発~孔雀覗9:50着9:57発~釈迦ケ岳11:18着11:25発~深仙小屋12:05着12:32発~太古の辻12:55~持経ノ宿17:40着(小屋泊)
今日は持経ノ宿までの長い行程になるので5時前には出発する計画でしたが、昨日の疲労と部屋の暖かさ(快適さ)からか深い眠りに落ち入り、目が覚めると既に4:20でした。慌てて身支度、パッキング等をし、朝食替わりのお弁当とスープで朝食を摂り出発。
この日は日本列島全体が寒波で覆われ、八経ヶ岳や釈迦ケ岳では気温は氷点下まで下がり雪も降るとの予報。小屋から出ると。意外にも昨日の朝と同様風は弱く穏やか。ただ気温は低く、小屋前の木製床は昨日降った雹や雨が凍ってツルツルです。「途中の登山道、凍結してないかな?アイゼン持ってきてないしなあ。危なそうだったら引き返そう!」と少し不安を持ちながら先ずは八経ヶ岳に向かいます。道の凍結は大丈夫みたいです。また、暖かい小屋でぐっすり眠れたこともあり、体調や足の状態も良い感じです。八経ヶ岳通過後、楊枝ケ宿までは幾つかの山があるのですが、ピークを通らず巻きながら進むので比較的楽です。ただ、小屋手前の崩落地の通過は要注意です。踏み跡があるので私は崩落地をトラバースしましたが通過後確認すると此処を高巻く道もありました。高巻きの方が安全だと思います。楊枝ケ宿は小屋のなか及び設営スペースともあまり広くないので、遅い時間に着くのはリスクがあります。
八経ヶ岳頂上
楊枝ケ宿小屋で暖かい飲み物を摂った後、孔雀岳~釈迦ケ岳方面に進みます。途中から風が強くなり又霰(あられ)が降ってきました。白いお菓子のあられの粒を踏みしめながら仏生ケ岳、孔雀岳のピーク西側を巻きながら進む感じです。孔雀覗に着きましたがガスで何も見えません。風も強く時折台風並みの突風が吹きつけます。貝ズリ、両部分け、掾(えん)ノ鼻、弥勒岩、杖捨て、馬の瀬といった岩場の難所を通過するのですが、濡れた岩場を突風吹く中、重荷でバランスを崩さないよう、慎重には慎重を重ね登下降を繰り返します。結構神経を使った後に今度は釈迦ケ岳の急登がまってます。弥山小屋を発って6時間弱でようやく釈迦ケ岳頂上に到着。5月というのにお釈迦様が凍りついてます。寒くて長くは居られないので深仙小屋にすぐ向かいます。ここからは稜線ルートではなく、水場(かくし水)の確認がてら千丈平からの巻道ルートをとります。
仏生ケ岳付近の霧氷 道は白いあられの粒で覆われています
釈迦ケ岳頂上 お釈迦様が凍りついてます
深仙小屋は鞍部(コル)にあるので特に風が強く、中に入らないと今日は休憩すら出来ません。小屋には5人の先客がいました。うち3人は既に寝袋を広げ泊まる体制です(残る2人は前鬼小仲坊に下山)。今夜にかけて強風と雨は鎮まりそうもなく、此処に留まる判断をしたとのことです。既に正午を過ぎていたので私も悩みましたが、この時点ではまだ気力・体力があったので持経ノ宿まで行くと決めました。前鬼に下山する二人組が出た後、奥駆道縦走の単独行の方が続けて二人小屋に入って来られました。二人とも此処で留まるかどうか悩んでいるのを背中で聴きながら、私は深仙小屋を出ました。
深仙小屋から太古の辻を経て南奥駆道に入ります。ここからは仏教にちなんだ名前の山沢山あります。また、北奥駆道と違い全てのピークを踏みながらの縦走となります。ガスと風雨のなか重荷を担いで登り・下りを何度も繰り返し、徐々に身体と心は萎えてきます。途中立ち止まってどこまで進んだか地図を見る余裕もない状態です。嫁越峠を越えてからの地蔵岳、涅槃岳の登りは特にしんどかった。危険な処は無いけれどまさに修行です。深仙小屋から5時間、弥山小屋から12時間余りかかって、やっとのことで持経ノ宿の煙突から煙が立ちのぼっているのを見た時、心底安堵しました。
持経ノ宿は新宮山彦グループが管理している小屋のひとつ、とても清潔で設備等(毛布もも充分有り)も整っています。特にこの小屋は林道沿いにあり車でアクセス出来るので飲料水も運んであります。小屋に着くと管理人の方が「どうもお疲れさま!」と声をかけてくれて、直ぐに私の寝るスペースを確保して頂きました。小屋の中は薪ストーブで暖かく、本当に生きた心地がします。さらに管理人の方から「缶ビール1本だけ残っていますがどうですか?」との声。まさに極楽浄土!衣類を着替えたあと、ナッツレーズンをつまみにビールを美味しくいただきました。ただ疲労のためか食欲が無くこの晩はスープを飲むだけの食事となりました。
弥山小屋5:28発~八経ケ岳5:55~弥山辻6:08着6:12発~楊枝ケ宿8:10着8:25発~孔雀覗9:50着9:57発~釈迦ケ岳11:18着11:25発~深仙小屋12:05着12:32発~太古の辻12:55~持経ノ宿17:40着(小屋泊)
今日は持経ノ宿までの長い行程になるので5時前には出発する計画でしたが、昨日の疲労と部屋の暖かさ(快適さ)からか深い眠りに落ち入り、目が覚めると既に4:20でした。慌てて身支度、パッキング等をし、朝食替わりのお弁当とスープで朝食を摂り出発。
この日は日本列島全体が寒波で覆われ、八経ヶ岳や釈迦ケ岳では気温は氷点下まで下がり雪も降るとの予報。小屋から出ると。意外にも昨日の朝と同様風は弱く穏やか。ただ気温は低く、小屋前の木製床は昨日降った雹や雨が凍ってツルツルです。「途中の登山道、凍結してないかな?アイゼン持ってきてないしなあ。危なそうだったら引き返そう!」と少し不安を持ちながら先ずは八経ヶ岳に向かいます。道の凍結は大丈夫みたいです。また、暖かい小屋でぐっすり眠れたこともあり、体調や足の状態も良い感じです。八経ヶ岳通過後、楊枝ケ宿までは幾つかの山があるのですが、ピークを通らず巻きながら進むので比較的楽です。ただ、小屋手前の崩落地の通過は要注意です。踏み跡があるので私は崩落地をトラバースしましたが通過後確認すると此処を高巻く道もありました。高巻きの方が安全だと思います。楊枝ケ宿は小屋のなか及び設営スペースともあまり広くないので、遅い時間に着くのはリスクがあります。
八経ヶ岳頂上
楊枝ケ宿小屋で暖かい飲み物を摂った後、孔雀岳~釈迦ケ岳方面に進みます。途中から風が強くなり又霰(あられ)が降ってきました。白いお菓子のあられの粒を踏みしめながら仏生ケ岳、孔雀岳のピーク西側を巻きながら進む感じです。孔雀覗に着きましたがガスで何も見えません。風も強く時折台風並みの突風が吹きつけます。貝ズリ、両部分け、掾(えん)ノ鼻、弥勒岩、杖捨て、馬の瀬といった岩場の難所を通過するのですが、濡れた岩場を突風吹く中、重荷でバランスを崩さないよう、慎重には慎重を重ね登下降を繰り返します。結構神経を使った後に今度は釈迦ケ岳の急登がまってます。弥山小屋を発って6時間弱でようやく釈迦ケ岳頂上に到着。5月というのにお釈迦様が凍りついてます。寒くて長くは居られないので深仙小屋にすぐ向かいます。ここからは稜線ルートではなく、水場(かくし水)の確認がてら千丈平からの巻道ルートをとります。
仏生ケ岳付近の霧氷 道は白いあられの粒で覆われています
釈迦ケ岳頂上 お釈迦様が凍りついてます
深仙小屋は鞍部(コル)にあるので特に風が強く、中に入らないと今日は休憩すら出来ません。小屋には5人の先客がいました。うち3人は既に寝袋を広げ泊まる体制です(残る2人は前鬼小仲坊に下山)。今夜にかけて強風と雨は鎮まりそうもなく、此処に留まる判断をしたとのことです。既に正午を過ぎていたので私も悩みましたが、この時点ではまだ気力・体力があったので持経ノ宿まで行くと決めました。前鬼に下山する二人組が出た後、奥駆道縦走の単独行の方が続けて二人小屋に入って来られました。二人とも此処で留まるかどうか悩んでいるのを背中で聴きながら、私は深仙小屋を出ました。
深仙小屋から太古の辻を経て南奥駆道に入ります。ここからは仏教にちなんだ名前の山沢山あります。また、北奥駆道と違い全てのピークを踏みながらの縦走となります。ガスと風雨のなか重荷を担いで登り・下りを何度も繰り返し、徐々に身体と心は萎えてきます。途中立ち止まってどこまで進んだか地図を見る余裕もない状態です。嫁越峠を越えてからの地蔵岳、涅槃岳の登りは特にしんどかった。危険な処は無いけれどまさに修行です。深仙小屋から5時間、弥山小屋から12時間余りかかって、やっとのことで持経ノ宿の煙突から煙が立ちのぼっているのを見た時、心底安堵しました。
持経ノ宿は新宮山彦グループが管理している小屋のひとつ、とても清潔で設備等(毛布もも充分有り)も整っています。特にこの小屋は林道沿いにあり車でアクセス出来るので飲料水も運んであります。小屋に着くと管理人の方が「どうもお疲れさま!」と声をかけてくれて、直ぐに私の寝るスペースを確保して頂きました。小屋の中は薪ストーブで暖かく、本当に生きた心地がします。さらに管理人の方から「缶ビール1本だけ残っていますがどうですか?」との声。まさに極楽浄土!衣類を着替えたあと、ナッツレーズンをつまみにビールを美味しくいただきました。ただ疲労のためか食欲が無くこの晩はスープを飲むだけの食事となりました。