雪のキリマンジャロ山登頂記
2017-03-26
2016年12月23~24日 晴れ
今迄、いくつかの外国の山に主人と行きましたが、残りの人生の中で、やはりアフリカは行っておきたいとの思いが募り、エボラ出血熱も終息したこともあり、キリマンジャロ登山となりました。今回のコースはタンザニア側(キリマンジャロ山の南側)からマラングルートより登頂を目指し、最終日はアルーシャ国立公園でサファリを楽しみます。ケニア側のアンボセリ国立公園やケニア山には行かないため、黄熱病予防接種は不要です。サバンナは雨季と乾季があり、ベストシーズンは12月中旬~2月または7~9月です。今回は、休暇の取り易いクリスマス~お正月に10日間で行ってきました。飛行機はダルエスサラーム経由とナイロビ経由がありますが、今回はアディスアベバ経由でキリマンジャロ空港に向かいます。20:10成田発エチオピア航空で朝7:45(日本時間13:45)アディスアベバ着。その間に機内食が3回出て、丸1日近く飛行機で過ごします。アフリカは遠い国だなぁと実感です。アディスアベバは高地なので朝は寒く、成田で着ていたフリースやダウンを着込んで乗り継ぎ便を待ちます。周りは地元のアフリカ人ばかり、時々フランス人などのヨーロッパ系の人もいます。今迄経験したこともない異国に来た感じです。更にエチオピア航空でキリマンジャロ国際空港に12:55に到着、ここで1回機内食です。キリマンジャロ航空は、大変暑く、半袖か長袖Tシャツ1枚でよい位です。空港から出るなりホテルフジの送迎日本車が止まっていましたが、これは日本の中古車を塗り替えずそのまゝ、別の送迎に使っているのです。車検証や成田山のお守りまで付いたまゝです。飛行場からマラングゲート近くのホテルへ行く道には、クリスマスツリーと呼ばれる真っ赤な花の咲く高木の並木が大変美しく、他にもジャカランダの紫の花やどれも高木で色鮮やかで美しく、ブーゲンビリアやハイビスカスも各家の庭先に咲いています。苗花も多く売られています。サバンナなので全く木の生えない草原と樹木のある処と森林とが交互に点在し、それは人の手によって変えることが出来ない気候の中にあるのです。樹林帯がいつの間にか草原になることもあるそうです。大きいアリ塚にも驚きました。市場が各所にあり、人々で賑わっていました。そのうち道は山道となり電柱位の高さの穂花を付けたアロエが沢山ある処に来て、マラング・ゲート近くのホテルに泊まりました。道中の車内からは、キリマンジャロ山は雲に隠れて最も右手マウェンジ峰の岩峰のみを見ることが出来ました。運転手さんの話では、山頂が見えるのは夜明け~早朝だけで昼を過ぎると雲に隠れることが多いそうです。
12月25日 晴れのち曇り一時雨
期待の夜明け、ホテルからは美しいキリマンジャロの山頂が見え、登頂を皆で願いました。ツアーメンバーは女性7人、男性1人と男性日本人ガイドK氏です。アフリカは女性に人気だそうです。
自動車で程なくマラング・ゲートに着きます。道中の村々の教会には洋装し着飾った現地黒人の家族がクリスマス礼拝に集まっています。ゲートもツリーで飾ってありました。30分程登山手続き後、10:40登山開始、山道ではありますが樹林帯の緩やかな登り道をマンダラハットに向かいます。道幅も4m位あり、4人並んで歩ける位です。現地黒人ガイド長P氏を先頭に私たちはゆっくりポレポレ歩き、その横をアルカハルカの速足ポーターたちが大きな私達の荷物を持って「ジャンボ」と挨拶をしながら笑顔で通り過ぎていきます。各自持参の寝袋や着替えや防寒着、全員の全食糧、水、飲料水、食器や鍋を持ってもらっています。日本の山なら自分たちで分担して持つものを全て持ってもらい女性たちは「上膳据え膳荷物無しで天国やなァ」と高山病に気を付けて歩きます。ポーターに預ける荷物は鍵をかけ衣類はポリ圧縮袋に入れて防水してあり、これをポーターが大きな防水袋に入れて頭に乗せて運びますが、雨が強いとカバンが濡れることもあります。途中の川にはしっかりとした橋があって渡渉はありません。すぐにベンチとテーブル、トイレのある昼食ポイントに着き、朝各自持たされているランチのパックを食べます。道中、ピンクのインパチェンス原種、白いベゴニア原種、大きなクチナシ様の花とゆずり葉の様な葉とアケビの様な渋い実を付けるモンキーマンゴーの中高木があります。根はマラリアの民間薬になるそうです。木の上には所々に蜂蜜のツボがかけられています。この辺はコーヒー栽培も盛んだそうです。若い人たちはすぐに現地ガイド達やポーター達からスワヒリ語を習って水マジ、おいしいズルサナ、休憩プンジカ、出発トゥエンディ、ありがとうアサンテなどスワヒリ語で話しています。昼過ぎから小雨が降りかけたが持ち直して一日曇、最後の休憩でサルにも会いました。今日の行程は約4時間、16:10マンダラ・ハット着(2,727m)。樹林帯の中にあり標高も常念、燕小屋位ですが夕方になると大変寒く、持っているフリースやダウン、オーバーズボンをすべて着ました。甘いココアや熱い紅茶などの水分を良く取ると高山病に良いというので食事前のティータイムに沢山飲みました。食事は煮物が多く、それをご飯にかけて食べます。優しい味が食べやすいです。大きなキュウリ、スイカ、マンゴーがおいしいです。朝はおかゆが食べやすく、ソーセージ、卵、フルーツ、パン等です。山中は朝夕O2測定します。私はまだ全く変化なしです。小屋は4―6人のロッジで二段ベッドになっています。女性同士は初めは我先に自分さえよかったらのようになりかかっていましたが、次第に7人大変まとまり良く、前夜までに必要な荷物などを確認しあってパッキングしたり、朝はモーニングティーとモーニングウォーターを黒人ポーターが持ってくる前に着替えや身支度を済ませるようになど起床時間を示し合わせて決めたり、色々な問題を支え合っていきました。これは山行中ずっと続きました。全員登頂できたのもこのようなまとまりの良さにあったと思います。天気を気にしながら寝ましたが夜トイレに出ると満天の星には驚かされました。
12月26日 晴れのち曇り時々雨
小屋を出て程なくコニファー様のハイマツ帯の後草原帯になり、,黄色やピンクの花が目を楽しませてくれます。途中クレーターにも立寄りましたが、カメレオンを見つけて男性の方は大喜びでした。マウェンジ峰も見え始め、途中昼はベンチとトイレのあるランチポイントで1時間ほど休憩です。このころから曇りから小雨が降ったり止んだりし始めました。日本人ガイドのK氏から言われたように、休憩時の防寒や、写真やカッパの脱着も息を止めることなく行います。うつむいて靴ひもを直したりオーバーズボンを履くときも注意です。そろそろ急いで走ったりすると息が切れたり頭重感が出たりし始めます。天候にもよるのでしょう。山の端を右へ回り込む辺りからはプロテア・キリマンジャリカというシャクヤクの様な白い大きな花が沢山あり雨に濡れて幻想的な雰囲気です。谷間にはジャイアント・セネシアというパイナップル様で枝分かれのある高木がびっしりと生えています。日本人は若い添乗員率いるHISのツアーメンバー20人と後先になりながら同行程でした。他にネットで現地直接契約の若い日本人男性3人も一緒です。ヨーロッパ人が多いです。15:00頃ホロンボ・ハット(3,720m)に着いた頃から天気は快方に向かい、夜は満天の星でした。夕方から高山病予防のためにダイアモックスを飲み始めました。O2も低めで心拍も酸素を送る為高めになります。メンバー全員が軽い高山病の症状がありました。胃腸も弱ってくるとのことで食事は食べられる量だけ取ってよく噛んで食べます。首周りにネックウォーマーを巻いて喉を保護するのも良いとのことです。
12月27日 快晴
皆早朝から美しい雲海の朝焼けをカメラに収めています。キリマンジャロ山頂もくっきりと見えています。日の出時間は登頂に重要ですが、6:15過ぎでした。私はカメラの電池が怪しくなったのでこれから先はカメラにホカロンを貼り付けていました。山中電気は無いので替え電池は重要です。今日はホロンボハットに連泊しマウェンジ峰近くのゼブラロックに高度順応に出掛けます。晴天の中、高さ6―7m幅20―30m位でしょうか、大きな縞々の岩があり、その上に登って(約4090m)、ラストウォーターポイントの手前を回って帰りました。天気もずっと快晴で高山病も出ず、快適な1日でした。サボテンに混じってパーマネントフラワーというドライフラワーの様な菊が沢山ありました。昼前に小屋に着くと、キリマンジャロ山は全く見えなくなっており、早朝登山の必要を感じました。
夕食までの間に時間があったので、女性の専門知識を持ち寄り、ヨガや足裏マッサージで体をほぐしました。メンバーは山歴も長い人、最近マラソンやトレランを始めた人、O2室で予備順応した人と様々です。年齢も20代~60代で50歳台が多かったです。ランニングを多少やっている人がほとんどで、登頂時の体力や粘り強さに繋がったのかもしれません。この時の足裏マッサージが高山病のツボなのか大変よく、その後しんどくなるとマッサージをすると大変楽になりました。
12月28日 曇りのち夕方から時々雪
満天の星に朝焼けも美しかったのですが、キリマンジャロは終日雲の中でした。昨日行った先にあるラストウォータポイントでトイレ休暇の後は、次第に植物も少なくなります。キリマンジャロの本体(キボ峰)が真正面にそびえていますが、山頂だけはずっと雲の中でした。ラストウォータポイントを過ぎて直ぐの10:00過ぎに若いヨーロッパ人と、その後に担荷に載せられた人が3台も通りました。時間的にも行程を急ぎ過ぎて高山症や酸素を全身に送ろうと心臓麻痺を起こしたのではないかとのことです。深呼吸をしたり体調を気遣いながら、ポレポレ歩きます。この日、地上は曇りでも山頂は悪天で登頂者は少なかったようです。出発前夜にキボハットから登頂までの行程の説明を受けましたが、「当日は夜中12時に出発し、夜明け6:30ギルマンズポイント、8:30ウフルピークをめどに引き返して下山、キボハットで休憩後16時頃までにホロンボハットまで下山」します。大きな岩のところで昼食後は全く植物はなくなり、土や岩だけの道を歩きます。最後の休憩、トイレ地点から小屋が見えているのですが1~2時間かかります。このころから、みぞれ雪がパラパラ降り始めました。翌日の天気を案じつつ、翌日の身支度を整えて足裏をマッサージして就寝しました。夕食のミートスパゲティは皆に好評で美味しくいただきました。
12月29日 快晴夕方から雨
真夜中11時起床、雪が積もっていますが天気は快晴でコンディションも良く出発するとのことです。紅茶を貰って12時出発の予定が国際GPSの設定に戸惑ったメンバーがいて少し遅くなって12:15出発となり、先にHISグループが出発して、そのトレースの後を行きます。 雪が一面に2~10cm積もる中で、ストックが役立ちました。遅い出発が逆に幸いして、ほぼ雪が融けて土の見えたトレースを歩くことが出来て、非常に楽でした。これが全員登頂に繋がったのかもしれません。あとで聞いたのですがネットで直接現地ガイド契約した3人パーティーは下山したそうです。カメラにはホカロン、冬用ダウン、フリース、ズボン、タイツ2重、冬用帽子、手袋、カッパ上下という、前夜1枚づつガイドK氏がデモしてくれたのに習った服装です。ヘッドランプでの山行で現地ガイドの後を呼吸などに気を付けながらゆっくり歩きます。ハンスメイヤーズケイプは大きな10人くらいは入れそうな岩屋で休憩し、その次の休憩から夜が明け始めました。現地ガイドの人達と一緒にマンボの歌を歌ったりして励まし合いながら一歩一歩砂交じりの道を行きます。向かい側に聳える岩のマウェンジ峰を照らす雲海の日の出は感動的で現地ガイド達とSILENT NIGHTを斉唱しました。黒人霊歌にも良いものがあり「どんなに苦しくても笑顔と希望を忘れない」の思いを新たにしました。ギルマン直下は岩の段々を登るようになり、雪も付いていて息も切れて登りにくくする方も出てきました。男性一人は若手ガイドと先に山頂に向かいました。私は結構良い感じでギルマンズポイント5682mに6時20分~40分、着いた時には逆に元気が出て高山症も吹っ飛び先に行けると感じました。ガイドK氏が全員でウフルピークを目指すことにしました。少し辛どくなった人は休憩し、元気な人で先にステラポイントを目指しました。岩峰のふちを回る所は、雪も氷付いて赤岳稜線のような所もありました。キボの噴火口が下に切れ落ち、向かいにはマウェンジ峰が朝日に輝いています。ステラポイント7:30着、広場になっていて、休憩していると程なく後続の全員が集まりました。少し休憩して、行ける人からウルフピークを目指しました。このころから皆さん現地ガイドに荷物を持ってもらって手を引いてもらっていました。何万円かチップがいるというので私は元気だったこともあり、自力で登頂しました。ウルフピークまではいくつものピークがあって、一つ目は軽く超えましたが、最後のピークは足も動きにくく息も切れ、無理に元気に行こうとすると頭重感などの高山病が出てきます。後ろから続く後続のメンバーや、先に登頂した男性の励ましで、呼吸を整えながら一歩一歩、8:10登頂(標高5895m)しました。後続のメンバーも三々五々集まり、全員の登頂写真を撮ることが出来ました。山頂から見る氷河や噴火口を従えた岩峰の景色は素晴らしく、ウフルに来ないとこのキリマンジャロには出会えないと思いました。8:40下山開始。雪が凍って滑りやすくなった所もありましたが、ストックも役立ち、ギルマンから下は雪も融けて現地ガイドの誘導で快適にスバシリも利用しながら下りました。ハンスメイヤーズケープから下はスバシリで登り始めよりずっと早くキボハットに11:40着、熱いラーメンを食べて休憩し、13:00発、ホロンボハット15:00着、下山すれば高山症は直ると言いますが、下山中に気分が悪くなったメンバーもいて大変心配しました。
12月30日 朝から雪のキリマンジャロが良く見えます。真っ白でした。7:30ゆっくり下山を開始し、マンダラハットで昼食11:40~12:40、ゲートに13:50着、朝晴れていたのに、途中から雨が随分降ってきました。ゲートではワインで乾杯、証書授与式にはガイド、ポーター達の歌と踊りで歓迎してくれて感動しました。皆様ありがとうございました。私たちは各小屋ポレポレですか荷物を運ぶポーター達は各行程大変だったでしょう。それでも、その元気な笑顔の「ジャンボ」に励まされました。お世話になりました。
12月31日 アリューシャに泊まってバナナの皮で葺いた屋根のコテッジのベットで寝ます。コテッジ周囲はアフリカンマリーゴールドのほか春夏秋冬問わずの花が咲き乱れています。昼までサファリでフラミンゴのの美しい群れ、キリン、シマウマ、バッファロー、シカ、サル、ワシなどを楽しみました。17:35キリマンジャロ空港発、アディスアベバ乗り換え
2017年1月1日 夜19:05成田着、京成で東京から新幹線に乗り継ぎ帰阪
今迄、いくつかの外国の山に主人と行きましたが、残りの人生の中で、やはりアフリカは行っておきたいとの思いが募り、エボラ出血熱も終息したこともあり、キリマンジャロ登山となりました。今回のコースはタンザニア側(キリマンジャロ山の南側)からマラングルートより登頂を目指し、最終日はアルーシャ国立公園でサファリを楽しみます。ケニア側のアンボセリ国立公園やケニア山には行かないため、黄熱病予防接種は不要です。サバンナは雨季と乾季があり、ベストシーズンは12月中旬~2月または7~9月です。今回は、休暇の取り易いクリスマス~お正月に10日間で行ってきました。飛行機はダルエスサラーム経由とナイロビ経由がありますが、今回はアディスアベバ経由でキリマンジャロ空港に向かいます。20:10成田発エチオピア航空で朝7:45(日本時間13:45)アディスアベバ着。その間に機内食が3回出て、丸1日近く飛行機で過ごします。アフリカは遠い国だなぁと実感です。アディスアベバは高地なので朝は寒く、成田で着ていたフリースやダウンを着込んで乗り継ぎ便を待ちます。周りは地元のアフリカ人ばかり、時々フランス人などのヨーロッパ系の人もいます。今迄経験したこともない異国に来た感じです。更にエチオピア航空でキリマンジャロ国際空港に12:55に到着、ここで1回機内食です。キリマンジャロ航空は、大変暑く、半袖か長袖Tシャツ1枚でよい位です。空港から出るなりホテルフジの送迎日本車が止まっていましたが、これは日本の中古車を塗り替えずそのまゝ、別の送迎に使っているのです。車検証や成田山のお守りまで付いたまゝです。飛行場からマラングゲート近くのホテルへ行く道には、クリスマスツリーと呼ばれる真っ赤な花の咲く高木の並木が大変美しく、他にもジャカランダの紫の花やどれも高木で色鮮やかで美しく、ブーゲンビリアやハイビスカスも各家の庭先に咲いています。苗花も多く売られています。サバンナなので全く木の生えない草原と樹木のある処と森林とが交互に点在し、それは人の手によって変えることが出来ない気候の中にあるのです。樹林帯がいつの間にか草原になることもあるそうです。大きいアリ塚にも驚きました。市場が各所にあり、人々で賑わっていました。そのうち道は山道となり電柱位の高さの穂花を付けたアロエが沢山ある処に来て、マラング・ゲート近くのホテルに泊まりました。道中の車内からは、キリマンジャロ山は雲に隠れて最も右手マウェンジ峰の岩峰のみを見ることが出来ました。運転手さんの話では、山頂が見えるのは夜明け~早朝だけで昼を過ぎると雲に隠れることが多いそうです。
12月25日 晴れのち曇り一時雨
期待の夜明け、ホテルからは美しいキリマンジャロの山頂が見え、登頂を皆で願いました。ツアーメンバーは女性7人、男性1人と男性日本人ガイドK氏です。アフリカは女性に人気だそうです。
自動車で程なくマラング・ゲートに着きます。道中の村々の教会には洋装し着飾った現地黒人の家族がクリスマス礼拝に集まっています。ゲートもツリーで飾ってありました。30分程登山手続き後、10:40登山開始、山道ではありますが樹林帯の緩やかな登り道をマンダラハットに向かいます。道幅も4m位あり、4人並んで歩ける位です。現地黒人ガイド長P氏を先頭に私たちはゆっくりポレポレ歩き、その横をアルカハルカの速足ポーターたちが大きな私達の荷物を持って「ジャンボ」と挨拶をしながら笑顔で通り過ぎていきます。各自持参の寝袋や着替えや防寒着、全員の全食糧、水、飲料水、食器や鍋を持ってもらっています。日本の山なら自分たちで分担して持つものを全て持ってもらい女性たちは「上膳据え膳荷物無しで天国やなァ」と高山病に気を付けて歩きます。ポーターに預ける荷物は鍵をかけ衣類はポリ圧縮袋に入れて防水してあり、これをポーターが大きな防水袋に入れて頭に乗せて運びますが、雨が強いとカバンが濡れることもあります。途中の川にはしっかりとした橋があって渡渉はありません。すぐにベンチとテーブル、トイレのある昼食ポイントに着き、朝各自持たされているランチのパックを食べます。道中、ピンクのインパチェンス原種、白いベゴニア原種、大きなクチナシ様の花とゆずり葉の様な葉とアケビの様な渋い実を付けるモンキーマンゴーの中高木があります。根はマラリアの民間薬になるそうです。木の上には所々に蜂蜜のツボがかけられています。この辺はコーヒー栽培も盛んだそうです。若い人たちはすぐに現地ガイド達やポーター達からスワヒリ語を習って水マジ、おいしいズルサナ、休憩プンジカ、出発トゥエンディ、ありがとうアサンテなどスワヒリ語で話しています。昼過ぎから小雨が降りかけたが持ち直して一日曇、最後の休憩でサルにも会いました。今日の行程は約4時間、16:10マンダラ・ハット着(2,727m)。樹林帯の中にあり標高も常念、燕小屋位ですが夕方になると大変寒く、持っているフリースやダウン、オーバーズボンをすべて着ました。甘いココアや熱い紅茶などの水分を良く取ると高山病に良いというので食事前のティータイムに沢山飲みました。食事は煮物が多く、それをご飯にかけて食べます。優しい味が食べやすいです。大きなキュウリ、スイカ、マンゴーがおいしいです。朝はおかゆが食べやすく、ソーセージ、卵、フルーツ、パン等です。山中は朝夕O2測定します。私はまだ全く変化なしです。小屋は4―6人のロッジで二段ベッドになっています。女性同士は初めは我先に自分さえよかったらのようになりかかっていましたが、次第に7人大変まとまり良く、前夜までに必要な荷物などを確認しあってパッキングしたり、朝はモーニングティーとモーニングウォーターを黒人ポーターが持ってくる前に着替えや身支度を済ませるようになど起床時間を示し合わせて決めたり、色々な問題を支え合っていきました。これは山行中ずっと続きました。全員登頂できたのもこのようなまとまりの良さにあったと思います。天気を気にしながら寝ましたが夜トイレに出ると満天の星には驚かされました。
12月26日 晴れのち曇り時々雨
小屋を出て程なくコニファー様のハイマツ帯の後草原帯になり、,黄色やピンクの花が目を楽しませてくれます。途中クレーターにも立寄りましたが、カメレオンを見つけて男性の方は大喜びでした。マウェンジ峰も見え始め、途中昼はベンチとトイレのあるランチポイントで1時間ほど休憩です。このころから曇りから小雨が降ったり止んだりし始めました。日本人ガイドのK氏から言われたように、休憩時の防寒や、写真やカッパの脱着も息を止めることなく行います。うつむいて靴ひもを直したりオーバーズボンを履くときも注意です。そろそろ急いで走ったりすると息が切れたり頭重感が出たりし始めます。天候にもよるのでしょう。山の端を右へ回り込む辺りからはプロテア・キリマンジャリカというシャクヤクの様な白い大きな花が沢山あり雨に濡れて幻想的な雰囲気です。谷間にはジャイアント・セネシアというパイナップル様で枝分かれのある高木がびっしりと生えています。日本人は若い添乗員率いるHISのツアーメンバー20人と後先になりながら同行程でした。他にネットで現地直接契約の若い日本人男性3人も一緒です。ヨーロッパ人が多いです。15:00頃ホロンボ・ハット(3,720m)に着いた頃から天気は快方に向かい、夜は満天の星でした。夕方から高山病予防のためにダイアモックスを飲み始めました。O2も低めで心拍も酸素を送る為高めになります。メンバー全員が軽い高山病の症状がありました。胃腸も弱ってくるとのことで食事は食べられる量だけ取ってよく噛んで食べます。首周りにネックウォーマーを巻いて喉を保護するのも良いとのことです。
12月27日 快晴
皆早朝から美しい雲海の朝焼けをカメラに収めています。キリマンジャロ山頂もくっきりと見えています。日の出時間は登頂に重要ですが、6:15過ぎでした。私はカメラの電池が怪しくなったのでこれから先はカメラにホカロンを貼り付けていました。山中電気は無いので替え電池は重要です。今日はホロンボハットに連泊しマウェンジ峰近くのゼブラロックに高度順応に出掛けます。晴天の中、高さ6―7m幅20―30m位でしょうか、大きな縞々の岩があり、その上に登って(約4090m)、ラストウォーターポイントの手前を回って帰りました。天気もずっと快晴で高山病も出ず、快適な1日でした。サボテンに混じってパーマネントフラワーというドライフラワーの様な菊が沢山ありました。昼前に小屋に着くと、キリマンジャロ山は全く見えなくなっており、早朝登山の必要を感じました。
夕食までの間に時間があったので、女性の専門知識を持ち寄り、ヨガや足裏マッサージで体をほぐしました。メンバーは山歴も長い人、最近マラソンやトレランを始めた人、O2室で予備順応した人と様々です。年齢も20代~60代で50歳台が多かったです。ランニングを多少やっている人がほとんどで、登頂時の体力や粘り強さに繋がったのかもしれません。この時の足裏マッサージが高山病のツボなのか大変よく、その後しんどくなるとマッサージをすると大変楽になりました。
12月28日 曇りのち夕方から時々雪
満天の星に朝焼けも美しかったのですが、キリマンジャロは終日雲の中でした。昨日行った先にあるラストウォータポイントでトイレ休暇の後は、次第に植物も少なくなります。キリマンジャロの本体(キボ峰)が真正面にそびえていますが、山頂だけはずっと雲の中でした。ラストウォータポイントを過ぎて直ぐの10:00過ぎに若いヨーロッパ人と、その後に担荷に載せられた人が3台も通りました。時間的にも行程を急ぎ過ぎて高山症や酸素を全身に送ろうと心臓麻痺を起こしたのではないかとのことです。深呼吸をしたり体調を気遣いながら、ポレポレ歩きます。この日、地上は曇りでも山頂は悪天で登頂者は少なかったようです。出発前夜にキボハットから登頂までの行程の説明を受けましたが、「当日は夜中12時に出発し、夜明け6:30ギルマンズポイント、8:30ウフルピークをめどに引き返して下山、キボハットで休憩後16時頃までにホロンボハットまで下山」します。大きな岩のところで昼食後は全く植物はなくなり、土や岩だけの道を歩きます。最後の休憩、トイレ地点から小屋が見えているのですが1~2時間かかります。このころから、みぞれ雪がパラパラ降り始めました。翌日の天気を案じつつ、翌日の身支度を整えて足裏をマッサージして就寝しました。夕食のミートスパゲティは皆に好評で美味しくいただきました。
12月29日 快晴夕方から雨
真夜中11時起床、雪が積もっていますが天気は快晴でコンディションも良く出発するとのことです。紅茶を貰って12時出発の予定が国際GPSの設定に戸惑ったメンバーがいて少し遅くなって12:15出発となり、先にHISグループが出発して、そのトレースの後を行きます。 雪が一面に2~10cm積もる中で、ストックが役立ちました。遅い出発が逆に幸いして、ほぼ雪が融けて土の見えたトレースを歩くことが出来て、非常に楽でした。これが全員登頂に繋がったのかもしれません。あとで聞いたのですがネットで直接現地ガイド契約した3人パーティーは下山したそうです。カメラにはホカロン、冬用ダウン、フリース、ズボン、タイツ2重、冬用帽子、手袋、カッパ上下という、前夜1枚づつガイドK氏がデモしてくれたのに習った服装です。ヘッドランプでの山行で現地ガイドの後を呼吸などに気を付けながらゆっくり歩きます。ハンスメイヤーズケイプは大きな10人くらいは入れそうな岩屋で休憩し、その次の休憩から夜が明け始めました。現地ガイドの人達と一緒にマンボの歌を歌ったりして励まし合いながら一歩一歩砂交じりの道を行きます。向かい側に聳える岩のマウェンジ峰を照らす雲海の日の出は感動的で現地ガイド達とSILENT NIGHTを斉唱しました。黒人霊歌にも良いものがあり「どんなに苦しくても笑顔と希望を忘れない」の思いを新たにしました。ギルマン直下は岩の段々を登るようになり、雪も付いていて息も切れて登りにくくする方も出てきました。男性一人は若手ガイドと先に山頂に向かいました。私は結構良い感じでギルマンズポイント5682mに6時20分~40分、着いた時には逆に元気が出て高山症も吹っ飛び先に行けると感じました。ガイドK氏が全員でウフルピークを目指すことにしました。少し辛どくなった人は休憩し、元気な人で先にステラポイントを目指しました。岩峰のふちを回る所は、雪も氷付いて赤岳稜線のような所もありました。キボの噴火口が下に切れ落ち、向かいにはマウェンジ峰が朝日に輝いています。ステラポイント7:30着、広場になっていて、休憩していると程なく後続の全員が集まりました。少し休憩して、行ける人からウルフピークを目指しました。このころから皆さん現地ガイドに荷物を持ってもらって手を引いてもらっていました。何万円かチップがいるというので私は元気だったこともあり、自力で登頂しました。ウルフピークまではいくつものピークがあって、一つ目は軽く超えましたが、最後のピークは足も動きにくく息も切れ、無理に元気に行こうとすると頭重感などの高山病が出てきます。後ろから続く後続のメンバーや、先に登頂した男性の励ましで、呼吸を整えながら一歩一歩、8:10登頂(標高5895m)しました。後続のメンバーも三々五々集まり、全員の登頂写真を撮ることが出来ました。山頂から見る氷河や噴火口を従えた岩峰の景色は素晴らしく、ウフルに来ないとこのキリマンジャロには出会えないと思いました。8:40下山開始。雪が凍って滑りやすくなった所もありましたが、ストックも役立ち、ギルマンから下は雪も融けて現地ガイドの誘導で快適にスバシリも利用しながら下りました。ハンスメイヤーズケープから下はスバシリで登り始めよりずっと早くキボハットに11:40着、熱いラーメンを食べて休憩し、13:00発、ホロンボハット15:00着、下山すれば高山症は直ると言いますが、下山中に気分が悪くなったメンバーもいて大変心配しました。
12月30日 朝から雪のキリマンジャロが良く見えます。真っ白でした。7:30ゆっくり下山を開始し、マンダラハットで昼食11:40~12:40、ゲートに13:50着、朝晴れていたのに、途中から雨が随分降ってきました。ゲートではワインで乾杯、証書授与式にはガイド、ポーター達の歌と踊りで歓迎してくれて感動しました。皆様ありがとうございました。私たちは各小屋ポレポレですか荷物を運ぶポーター達は各行程大変だったでしょう。それでも、その元気な笑顔の「ジャンボ」に励まされました。お世話になりました。
12月31日 アリューシャに泊まってバナナの皮で葺いた屋根のコテッジのベットで寝ます。コテッジ周囲はアフリカンマリーゴールドのほか春夏秋冬問わずの花が咲き乱れています。昼までサファリでフラミンゴのの美しい群れ、キリン、シマウマ、バッファロー、シカ、サル、ワシなどを楽しみました。17:35キリマンジャロ空港発、アディスアベバ乗り換え
2017年1月1日 夜19:05成田着、京成で東京から新幹線に乗り継ぎ帰阪