蓮メリで学ぶキーボードショートカット

2019-12-17
〇前書き
この記事は、「パソコン操作わからん!キーボードショートカット、何!?」というお悩みを持った方と、「GUTアドベントカレンダー、内容にかかわらず全部読むぜ!」という強い意志を持った方向けの記事となっております。
蓮メリ(ほぼ)未履修、小説書いたことなし、PCそんなに詳しいわけじゃない、と三拍子揃ったヘクサがお届けします。

☢CAUTION☢
メリーと蓮子はMacユーザーですので、ショートカットやその他操作もMacに準拠したものになっております。
ですが他のOSにもあるショートカットについては、大抵の場合⌘(commandキー)をCtrlキーに置き換えれば良いので、そんなに問題はないかと思います。ダメな場合は調べてください(丸投げ)。

では、はじまりはじまり。


○昼下がり
午後2時。いつもの場所で、いつもの二人は大学のレポートを書いていた。
「メリー、それはなんのレポートなの?」
「これはね、ちょっとした統計のレポートなの。Rっていうのを使うんだけど、データを入力するのが大変なのよね。」
そう言いながらメリーは、ワードに表示された改行区切りの数値データをポチポチとコンマ区切りに直していた。
「ああっ。」
唐突に声を上げるメリー。
「どうしたの、いきなりそんな声あげて。」
「改行を消すときに、間違ってデータごと消しちゃったのよ。また最初からやり直しだわ。」
「え、元に戻せばいいじゃない」
「元に戻す?」
「そうよ。Ctrl…いや、メリーはMac使ってるから ⌘+z ね。左上にある反時計回りの矢印でもできるよ。」
「左上の矢印?あっ!ほんとね。この作業、ミスしやすいからすごい時間かかるのよね。ありがとうね。」
「…メリー、もしかして、今まで『元に戻す』を知らなかったの?」
「ええ、教えてくれてありがとう。とても助かったわ。」
「じゃあ、『置換』は知ってる?」
「ちかん?」
「ええとね、ちょっと貸してね。」
カタカタ、蓮子がほんの一瞬PCを操作したかと思うと、改行区切りだった数値データがコンマ区切りに変わっていた。
「えっ!蓮子今何したの!?」
「こうやって全選択して、⌘+Shift+hして、」
「待って待って待って!操作がはやすぎてついていけないわ。」
蓮子はブラックコーヒーを注いで言った。
「じゃあ今日の秘封倶楽部の活動は、PCのショートカットキーについてね。」


○ショートカットキー(ショートカット)とは
蓮子は自分のPCを取り出し、説明用にワードファイルを開いた。
「メリーも、なにか適当なワードファイル開いてよ。」
「うん。」
メリーは、半ページくらいの長さのワードファイルを開いた。
「PCの操作にはショートカットキーと言って、『よく使う操作』をキーボードによる入力で素早く行える機能があるの。『よく使う操作』っていうのは、さっきやった『元に戻す』とか『全選択』とかね。⌘+c でコピーとか、⌘+v でペーストとかは聞いたことはある?」
「そうね。聞いたことはあるけど、なんか怖いしたくさんあるなあ、くらいに思ってたわ。」
「うーん、じゃあ、基本的なものを教えていくね。」


○文字、要素の選択に関するショートカット
蓮子はコーヒーを一口飲んでから言葉を続けた。
「とりあえずね、文章をコピーしたり切り取ったり置換するためには、まず対象となる文章を選択しないといけないの。Shiftを押しながら矢印キーの右を押してみて。」
「文字が青くなるわね。」
「こうやって、文字の背景が青くなっていると、その文字が選択された、ということになるの。」
「この青くなるの、キーボードでできるのね。いつもマウスを使ってやってたわ。」
「じゃあメリー、文章全部を選択してみて。」
「分かったわ。」
メリーは、Shiftキーを押しながら→キーを連打し始めた。タタタタタ。→キーを押す度に、選択範囲が1文字ずつ広がっていく。
タタタタタ。
タタタタタ…
「蓮子…これ、結構疲れるわ。これならマウスを使った方が楽よ。」
「ええと、メリー、ごめん。そういう時は矢印の下を押せばいいよ。Shiftを押しながら↓キーを押すと、1行ずつ選択されるから。」
「ほんとだわ!蓮子、先に言ってよね。」
「ごめんごめん。」
蓮子は自分のパソコンの画面をメリーにみせた。蓮子が開いていたワードファイルは3ページほどに渡る文章で、なにやら難しそうな式がたくさん書いてある。
「メリーのは文章がそんなに長くないから、文章全体を選ぶにしてもShiftと↓キーを押すだけでいいけど、私のみたいに文章が長いとそれも大変だよね。文章全体を選択したい時は⌘+aをすればいいの。」
「⌘、a…これ、すごいわね!もしかして、さっき言ってた『全選択』っていうのがこれなのかしら?」
「そうだよ。他にも、Shiftを押しながらCtrlと矢印キーで端っこまで選択出来たり、Shiftを押しながらOptionと左右キーで単語ごと、上下キーで段落ごとに選択できたりするわ。」
「Ctrlとか、Optionとか、いろいろ出てきて大変ね。覚えられる気がしないわ」
「最初は大変だよね。ショートカットって覚えると確かに便利だけど、それがなくてもなんとかなるから、無理して覚えることはないよ。」


〇選択した文字、要素に対するショートカット
蓮子に教えてもらった操作を、メリーは何度か繰り返した。
「文字のところが青くなったら右クリックして切り取ったりコピーしたりできるよのね?」
メリーはマウスで選択した箇所を右クリックした。
「そうだよ。他にも、太字にしたり下線を引いたり中央揃えに出来たりもするよ。メリーはそういう操作をマウスを使ってやってたけど、こういう操作もショートカットキーを使ってできちゃうの。」
「⌘+c みたいなものよね。」
「そう。基本的なものから言うと、⌘+c はコピー、copyの頭文字のcだね。⌘+x はカット、xなのは、何かの頭文字とかじゃなくてただ押しやすいからだと思う。そして⌘+v でペースト、これも多分押しやすいから。」
「押しやすさ重視なのね。」
「コピー、カット、ペーストはよく使うからね。使う頻度は少し減るけど、⌘+bで太字、⌘+iでイタリック、⌘+uでアンダーバーにできるよ。それぞれBold, Italic, Under barだね。」
「今度は分かりやすいわね。」
「そして⌘+Shift+hで置換が使える。このコマンドを押すと、置換前の文字と置換後の文字を入力する欄が出てくるから、ここに文字を入れて置換ボタンを押すと置換できるよ。」
「蓮子は、ショートカットを全部覚えてるの?」
「そんなことないよ。ショートカットって本当に沢山あって、滅多に使わない操作にショートカットがついてたりもする。さっきも言ったけど、ショートカットは無理して覚える必要はなくて、覚えてると便利だなって感じるものだけ覚えてればいいと私は思うよ。」


〇その他覚えていると便利なショートカット
少し冷めてきたコーヒーを飲み干し蓮子は言った。
「今まで言ってきたショートカットは全部、文字を選んでなにか操作をするっていうものだったけど、それ以外にも便利なショートカットは沢山あるの。例えば、最初にやった『元に戻す』、これは⌘+zだね。」
「これも押しやすさ重視なのね。」
「そう、元に戻すっていう動作はそこそこ使うからね。ワードだけじゃなくて、エクセルやパワーポイント、絵を描く用のソフトとか、『元に戻す』という操作があるソフトなら、だいたい⌘+zで元に戻せるよ」。
「ソフトごとに使い分けを考える手間が省けて便利ね。」
メリーは何かを打ち込んでは戻し、打ち込んでは戻しを繰り返した。
「これ、⌘+zを押しすぎると戻りすぎちゃうわね。」
「そういう時は、⌘+Shift+zを押すと、『元に戻す』で戻った分を取り消せるよ。」
「元に戻った分を取り消す?」
「うーんと、おおざっぱに言うと、戻るに対して『進む』って感じかな?時間を巻き戻しすぎた分を進めてると考えるとわかりやすいと思う。」
蓮子はコーヒーのおかわりを注いだ。
「それから、⌘+nで新しい『なにか』を開けるよ。ワードやエクセルなら新しい『ファイル』、SafariやChromeなどのWebブラウザなら新しい『ウィンドウ』、とかかな。Newの頭文字。あと、⌘+fで検索。これはFindの頭文字だね。ワードファイル内やWebページ内とかを文字列で検索できるよ。」
「ワードって検索もできたのね。長い文章だと、編集したい場所があるときに、それを探すのが大変だったのよね。」
「あとよく使うショートカットは、⌘+sで保存、とかかなあ」
「Saveの頭文字ね。保存はこまめにしたいからショートカットで直ぐに出来るのは便利ね。ところで、いつもは左上にある『箱と矢印のアイコン』を押して保存してたけど、このアイコンは何を表しているの?」
「これはね、下の箱がハードディスクで、ハードディスクに向かってる矢印が『ハードディスクに書き込む』ってことを表してるんじゃないかな?ああ、ハードディスクって言うのは、簡単に言うとデータを保存してある場所のことだよ。」


〇夕暮れ
気がつくと、窓から見える景色は赤く染っていた。けっこう時間が経ってしまったようだ。
「今教えたくらいショートカットを知っておけば、かなり楽になるんじゃないかな?」
「でも、沢山ありすぎて全然覚えられてないわ」
「そういう時は、『ショートカットキー』とかでネットを検索するとわかりやすい表が沢山出てくるから、それを参考にするといいよ。あとは、メニューバーを見ると操作と一緒にショートカットが書いてあったり、アイコンの上にマウスカーソルをかざすとショートカットが表示されたりするね。」
「確かに、いつもアイコンを押す時に何か出てきてたけど、よく分からなくてスルーしてたのよね。」


蓮子は『箱と矢印』の保存アイコンを一瞥し、⌘+qでワードを閉じた。
「メリー、そろそろ帰ろっか。」
「そうね。」
「…メリーはさ、フロッピーディスクって知ってる?」
「フロッピー、ディスク?何かしら?」
「ううん、なんでもない。」
忘れ去られたものが幻想となってしまうのは、現実世界でも画面の世界でも変わらないのかもしれない。そう思いつつ、蓮子はPCを閉じた。




〇あとがき
ヘクサです、なんか文章すごく長くなってしまいましたね。物語文を腰を据えて書いたことはなかったので、なかなか面白い経験になりました。

この文章は小説形式なので、どのショートカットはどれ、みたいなのを素早く知るのには全然向いてません。僕はあくまで、「ショートカットわからん!!怖い!!」と思ってる人向けに、お話形式でショートカットのことが分かる文章を書くことを目的にしました。対応表みたいなのはネット上にゴロゴロころがってるし、AppleやMicrosoftが公式で出してるやつを参照すればそれで事足りるので、表が欲しい人はそっちを参照してください。


ぶっちゃけ、今まで挙げたショートカットはどれも基本的なもので、「全部知ってたわ」みたいな人もいると思います。ここからは、蓮子も知らないかもしれないショートカットを雑に紹介しようと思います。

まず「←↓↑→」の入力。例えば、「←」の場合、「ひだり」と入力して変換キーをn回押してやっとこさ入力できるという大変めんどくさい文字なのですが(「やじるし」を変換しても同様)、日本語入力の状態で「zh」と入力すると、すると…なんと「←」が入力されています。zj,zk,zlと入力するとそれぞれ↓,↑,→が入力されます。大変便利ですね。
…言うて矢印なんてそうそう入力しないので、僕はあんまり恩恵は感じられません…

次!矢印キーを使わないで移動。これは残念ながらMacでしか使えない上に、MacでもワードとかエクセルとかのMicrosoft Officeのソフトウェアじゃ使えません。メモ帳とかSafariとかVSCodeで恩恵を受けてください。
Ctrl+f, b, p, nでそれぞれ右、左、上、下矢印キーを押したのと同等の操作になります。Front, Back, uP, dowN ですね多分。さらに!!Ctrl+a, e で、それぞれ行頭、行末に移動できます。さらにさらに!!Ctrl+h,d でバックスペースキー、デリートキーの代わりになります。
…ぶっちゃけそれ意味ある?みたいに思ってる人、これはですね、右手を矢印キーやバックスペースキーのところまで動かす手間を省けます。これは、けっこう大事なことだと思います。僕もこのショートカットはたまに使います。「このショートカット覚えるんだったら矢印キー押すわ」という人は全然それでいいと思います。ショートカットキーは効率化のためにあるので、自分に合ってないなあと思ったら使わない選択肢も全然アリです。

最後!東方原作で1面ループする時とかに便利なやつ。(最後に東方要素をぶち込みました。)東方の原作プレイ中にEscを押してメニューが出たら、r, qを押してそれぞれ最初からやり直す、ゲームを終了する、です。(このショートカットに対応していない作品もあります。)PCの作業になれていない人も、東方原作をやる人ならこれを知っている人はいるかもしれませんね。

ショートカットっていうのは、1面ループする時にEsc押してrを押すのとなんも変わりません。わかってしまえば全然怖くないです。

ショートカットはまだまだ山ほどありますが、記事はこの辺で終わりたいと思います。こんなところまで読んでいただき本当にありがとうございました。それでは。