Thunderbolt Fantasyを見よう
2018-12-16
今期のアニメ、みなさんは何を観ていますか? 自分はからくりサーカスとかゴブリンスレイヤーとか観てます。作画が話題になっている兄妹ラノベ作家アニメもありますね。たまに出現する作画監督のガチ止め絵が素晴らしいですし、エンディングの作画も良いので今期の覇権に違いありません(ピークエンドの法則)。ゾンビランドサガなんかはキャラが個性的でみんな可愛いので、傷痕好きの人のみならず広く人気があるような気がします。他にも色々と良い作品がありますし、まあ今期は悪くないのではないでしょうか。
で、この記事で紹介するのは今期の作品ではありますが、アニメではありません。実写プラスCGの作品です。タイトルを『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2』といいます(以下サンファンと略称します)。ご存知でしょうか? タイトルに2とあるように、今期が2期目になります。1期目は2016年7月期に放送されました。2017年12月には劇場版も公開され、好評を博しました。意外と前ですね。
さてサンファンはアニメではないと上で言いましたが、では何かというと人形劇です。人間が手で操るパペットが登場キャラクターになります。
人形劇というとNHKのがんこちゃんやハッチポッチステーションを思い出して”子供向け”と思う方もいるかもしれません。正直自分も最初に観始めたときは暇つぶしや物珍しさくらいのものでした。しかし観進めていくにつれてそんな感情はむしろサンファンという作品自体への興味へと置き換わっていきました。というわけでこの記事ではそんなサンファンの魅力について語っていきたいと思います。ところで調べて驚いたんですがハッチポッチステーションが放送開始した1995年には、まだ東方旧作すら存在していなかったんですね(東方靈異伝が1996年らしいです)。
1)心情描写が丁寧で、ストーリーも王道で面白い
サンファンのストーリーは、大雑把にはバトル・アクション物に分類されます。ネタバレになるのであまりあらすじは述べませんが、例えば1期であれば俺TUEEEEEなボスキャラがいて、その忠実な部下もいて、そいつらがヤバイ宝物を狙ってて、それを倒すためにパーティ組んで……など、割とRPGの王道展開が盛り込まれています。これだけ書くとありきたりで陳腐なように見えるかもしれませんが、要所ごとにサンファンならではのどんでん返しがあったりするので飽きることはありません。特に登場人物の心情描写が丁寧な点がとても良いです。後の項目にも書きますが、サンファンの登場キャラは全員個性が強く、またクセの強いキャラが多いです。というかキャラ自体かなり多いです。ですがどのキャラも他のキャラに埋もれることなく、それぞれが胸の内に持っている思いや葛藤が描写されています。一言で言えばキャラが立っているということです。ストーリー自体は(なろうとかに比べれば)そんなに奇抜ではないとは思いますが、長く深く楽しめる理由はこういうところにあると感じています。
ちなみに脚本は虚淵玄さんが担当されてます。これだけ芯の通ったストーリを作れるのは流石、というべきでしょう。サンファンでは3話で首が取れたりはしなかったと思うので安心してください。
2)人形がガチ
実はサンファンは台湾との合同企画です。今まで人形劇と言ってきましたが、正しくは台湾の伝統的な『布袋劇(ほていげき)』と呼ばれるものです。公式サイトによれば、台湾で知らない人間はいないと言われるほど親しまれているそうです。というわけで物語の舞台も中華と和風が折衷されたような、東洋風の世界観をしています。
布袋劇という名前から布製の人形が連想されますが、現在の人形は非常に細かい装飾が施されており、大きさも90cmとかなり大きいです。頭身も高く、衣服にも力が入っています。とにかく豪奢、ゴージャスです。
立体物ということでワンダーフェスティバル(海洋堂が主催する立体創作物の展示即売会)の企業ブースに本物の人形が展示されていることもあり、自分も会場で見学しましたが非常に綺麗でした。十体近く並んでいるときらびやかで迫力がありましたね。顔は陶製なんでしょうか、白くて光沢があり人形ならではの非人間的な美しさを感じられました。それに魅せられたお姉さま方が大量に写真を撮っていたので、人ごみの切れ間ができるのをジリジリ待つのが大変でした。
加えて目力がすごいことも挙げられます。例えば殺無生というキャラの瞳は、人形だと分かっていてもこちらを射抜くような鋭さを持っていてドキッとさせられました。ただ立っているだけでもそれなので、実際に動かしている時には感情すら伴っているように見えます。すごいですね。
3)みんなイケメン
上の2)と被るといえばそうなんですが、登場キャラがみんなイケメンです。サンファンはバトル物なので登場キャラは若干ゃ女性もいますが大半は男です。じゃあ絵面がむさいじゃないというとそんなことはありません。全員東洋のイケメン顔をしているのでどのシーンを切り抜いてもとにかく絵になります。ポーズとかにもこだわっているんでしょうね。人形臭さを感じさせないと同時に美術品のような印象さえ受けます。自分は今のところ婁震戒が好きです。
4)バトルシーンがすごい
サンファンは台湾伝統の布袋劇だと言いました。普通に人形にチャンバラをやらせるとどうしてもテンポが遅くなってもっさりしそうですが、サンファンではそれをCG技術で克服しています。伝統の人形劇とCG技術を合わせるという斬新なチャレンジをしているのは魅力のひとつです。
作品内のバトルは主に剣()ですが、まあこれが派手で盛り上がります。剣を合わせればエフェクトが出ますし、振れば謎の衝撃波が地面を走り抜けますし、剣もキャラも回転しながら飛びます。とにかく人形の速度がすさまじく、一切スピード感を損なっていません。人形がクッソ速く派手に動くというのは、これまでの人形劇にはあまりない表現ではないでしょうか。
メイキング映像を見ると、全部ではありませんが、実際に人形を投げて撮影したりしているようです。下から扇風機を回して服をなびかせながら思いっきり舞台セットの上に人形投げてるんで驚きましたね。このようにCGだけでなく実際に無茶もしていることでよりリアルな映像を実現しているんですね。
5)キャラの本物に会える
作品内で使用された人形が実際に展示されている機会が多いです。ワンフェスや劇場や、その他のニトロプラスのイベントなどでも飾られていたりします。好きだなあと思ったキャラの実物に会えるのは、人形を使っているサンファンならではと言えるでしょう。とにかく綺麗なので機会があったら見に行ってほしいです。
思いつくままにいくつかオススメポイントを書きました。カッコよさ全振りアクション人形劇という新たな映像作品を観れば、また違った視点も開けるかもしれません。老若男女問わずウケるポテンシャルのある作品だと思うので、ぜひ観てみてください。
で、この記事で紹介するのは今期の作品ではありますが、アニメではありません。実写プラスCGの作品です。タイトルを『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2』といいます(以下サンファンと略称します)。ご存知でしょうか? タイトルに2とあるように、今期が2期目になります。1期目は2016年7月期に放送されました。2017年12月には劇場版も公開され、好評を博しました。意外と前ですね。
さてサンファンはアニメではないと上で言いましたが、では何かというと人形劇です。人間が手で操るパペットが登場キャラクターになります。
人形劇というとNHKのがんこちゃんやハッチポッチステーションを思い出して”子供向け”と思う方もいるかもしれません。正直自分も最初に観始めたときは暇つぶしや物珍しさくらいのものでした。しかし観進めていくにつれてそんな感情はむしろサンファンという作品自体への興味へと置き換わっていきました。というわけでこの記事ではそんなサンファンの魅力について語っていきたいと思います。ところで調べて驚いたんですがハッチポッチステーションが放送開始した1995年には、まだ東方旧作すら存在していなかったんですね(東方靈異伝が1996年らしいです)。
1)心情描写が丁寧で、ストーリーも王道で面白い
サンファンのストーリーは、大雑把にはバトル・アクション物に分類されます。ネタバレになるのであまりあらすじは述べませんが、例えば1期であれば俺TUEEEEEなボスキャラがいて、その忠実な部下もいて、そいつらがヤバイ宝物を狙ってて、それを倒すためにパーティ組んで……など、割とRPGの王道展開が盛り込まれています。これだけ書くとありきたりで陳腐なように見えるかもしれませんが、要所ごとにサンファンならではのどんでん返しがあったりするので飽きることはありません。特に登場人物の心情描写が丁寧な点がとても良いです。後の項目にも書きますが、サンファンの登場キャラは全員個性が強く、またクセの強いキャラが多いです。というかキャラ自体かなり多いです。ですがどのキャラも他のキャラに埋もれることなく、それぞれが胸の内に持っている思いや葛藤が描写されています。一言で言えばキャラが立っているということです。ストーリー自体は(なろうとかに比べれば)そんなに奇抜ではないとは思いますが、長く深く楽しめる理由はこういうところにあると感じています。
ちなみに脚本は虚淵玄さんが担当されてます。これだけ芯の通ったストーリを作れるのは流石、というべきでしょう。サンファンでは3話で首が取れたりはしなかったと思うので安心してください。
2)人形がガチ
実はサンファンは台湾との合同企画です。今まで人形劇と言ってきましたが、正しくは台湾の伝統的な『布袋劇(ほていげき)』と呼ばれるものです。公式サイトによれば、台湾で知らない人間はいないと言われるほど親しまれているそうです。というわけで物語の舞台も中華と和風が折衷されたような、東洋風の世界観をしています。
布袋劇という名前から布製の人形が連想されますが、現在の人形は非常に細かい装飾が施されており、大きさも90cmとかなり大きいです。頭身も高く、衣服にも力が入っています。とにかく豪奢、ゴージャスです。
立体物ということでワンダーフェスティバル(海洋堂が主催する立体創作物の展示即売会)の企業ブースに本物の人形が展示されていることもあり、自分も会場で見学しましたが非常に綺麗でした。十体近く並んでいるときらびやかで迫力がありましたね。顔は陶製なんでしょうか、白くて光沢があり人形ならではの非人間的な美しさを感じられました。それに魅せられたお姉さま方が大量に写真を撮っていたので、人ごみの切れ間ができるのをジリジリ待つのが大変でした。
加えて目力がすごいことも挙げられます。例えば殺無生というキャラの瞳は、人形だと分かっていてもこちらを射抜くような鋭さを持っていてドキッとさせられました。ただ立っているだけでもそれなので、実際に動かしている時には感情すら伴っているように見えます。すごいですね。
3)みんなイケメン
上の2)と被るといえばそうなんですが、登場キャラがみんなイケメンです。サンファンはバトル物なので登場キャラは若干ゃ女性もいますが大半は男です。じゃあ絵面がむさいじゃないというとそんなことはありません。全員東洋のイケメン顔をしているのでどのシーンを切り抜いてもとにかく絵になります。ポーズとかにもこだわっているんでしょうね。人形臭さを感じさせないと同時に美術品のような印象さえ受けます。自分は今のところ婁震戒が好きです。
4)バトルシーンがすごい
サンファンは台湾伝統の布袋劇だと言いました。普通に人形にチャンバラをやらせるとどうしてもテンポが遅くなってもっさりしそうですが、サンファンではそれをCG技術で克服しています。伝統の人形劇とCG技術を合わせるという斬新なチャレンジをしているのは魅力のひとつです。
作品内のバトルは主に剣()ですが、まあこれが派手で盛り上がります。剣を合わせればエフェクトが出ますし、振れば謎の衝撃波が地面を走り抜けますし、剣もキャラも回転しながら飛びます。とにかく人形の速度がすさまじく、一切スピード感を損なっていません。人形がクッソ速く派手に動くというのは、これまでの人形劇にはあまりない表現ではないでしょうか。
メイキング映像を見ると、全部ではありませんが、実際に人形を投げて撮影したりしているようです。下から扇風機を回して服をなびかせながら思いっきり舞台セットの上に人形投げてるんで驚きましたね。このようにCGだけでなく実際に無茶もしていることでよりリアルな映像を実現しているんですね。
5)キャラの本物に会える
作品内で使用された人形が実際に展示されている機会が多いです。ワンフェスや劇場や、その他のニトロプラスのイベントなどでも飾られていたりします。好きだなあと思ったキャラの実物に会えるのは、人形を使っているサンファンならではと言えるでしょう。とにかく綺麗なので機会があったら見に行ってほしいです。
思いつくままにいくつかオススメポイントを書きました。カッコよさ全振りアクション人形劇という新たな映像作品を観れば、また違った視点も開けるかもしれません。老若男女問わずウケるポテンシャルのある作品だと思うので、ぜひ観てみてください。