炭酸緩衝液は薬物の膜透過性に影響を与えるか?
2025-01-21
炭酸緩衝液の使用が、溶出試験によるヒト吸収予測にとって有用であることは、我々の研究室での研究を含め、これまで多数の論文で報告されてきました。しかし、膜透過性に関しては、これまで報告がありませんでした。そこで、今回、炭酸緩衝液が、薬物の小腸模擬人工膜(PAMPA)透過性に影響を与えるかを検討しました。
Effect of bicarbonate buffer on artificial membrane permeation of drugs
https://pub.iapchem.org/ojs/index.php/admet/article/view/2603
DOI: https://doi.org/10.5599/admet.2603
今回の研究には、uFluxを用いました。落し蓋法でpHを良好に維持できました。
次に、様々な薬物の膜透過性を、炭酸緩衝液(BCB)とリン酸緩衝液(PPB)を使用して測定しました。
結果、pH分配理論に従って非解離型分子が受動拡散する解離性薬物の場合、BCB中での膜透過がPPB中よりも低下することが分かりました。一方で、イオンペアトランスポートで透過する薬物、および非解離性薬物は、BCBとPPBで同じした。
理由としては、BCBは中和速度が遅いので薬物の膜透過に従い、膜表面のpHが変化するためと考えられました。生体でも同様の現象がみられるのか?は今後検討したいと思います。
今回の結果は、非常に新規性が高い結果だと思います。
是非論文をご覧ください。(オープンアクセスです。)
Effect of bicarbonate buffer on artificial membrane permeation of drugs
https://pub.iapchem.org/ojs/index.php/admet/article/view/2603
DOI: https://doi.org/10.5599/admet.2603
今回の研究には、uFluxを用いました。落し蓋法でpHを良好に維持できました。
次に、様々な薬物の膜透過性を、炭酸緩衝液(BCB)とリン酸緩衝液(PPB)を使用して測定しました。
結果、pH分配理論に従って非解離型分子が受動拡散する解離性薬物の場合、BCB中での膜透過がPPB中よりも低下することが分かりました。一方で、イオンペアトランスポートで透過する薬物、および非解離性薬物は、BCBとPPBで同じした。
理由としては、BCBは中和速度が遅いので薬物の膜透過に従い、膜表面のpHが変化するためと考えられました。生体でも同様の現象がみられるのか?は今後検討したいと思います。
今回の結果は、非常に新規性が高い結果だと思います。
是非論文をご覧ください。(オープンアクセスです。)