バレエを伝える力~知識を増やしてもダメ

2025-02-08
ロシアバレエ教授法は、8学年に分けて学習課題が構成されています。

その中で最も重要な学年は、第1学年であるとされています。※

※ 2022年ワガノワ・バレエ・アカデミー・バレエ教授法学科長マリア・グリバーノワ先生の講義より。

教師は、第1学年で必要十分な指導ができないと、それ以降の学年での指導は、必然的に疎かにならざるを得ないことになります。

趣味のバレエだと、生徒が学びたいことを優先しないと継続してもらえないという現実があるので、退屈になりがちな第1学年は、スキップされがちです。

でも、それだとロシアバレエメソッドの指導を忠実に行うことはできなくなります。

結果的に、生徒は伸び悩むことになり、結局バレエをやめてしまう、なんていうこともなきにしもあらず。

そんな事にならないようにするには、趣味の生徒に対しても、本気組の生徒に対しても、第1学年で土台を築き、それ以降の学年で上達を味わってもらえるように導くことが肝要です。

そのためには、第1学年での指導内容を十分に知っていないと始まりません。

ところが、それだけでは足りません。

なぜなら、それを生徒に伝えられる能力が、身についていないと、これまたどうにもならないからです。


読者さんは、いまどの程度、第1学年の内容を生徒に伝えられるでしょうか?

例えば、下記のように、テーマを設けたら、どんな説明や実技指導ができそうですか?

1)バレエ教授法とは?
2)基本的概念
3)教授法解説(第1学年)
  ・Barre の動き
  ・Center の動き
  ・Allegro の動き
  ・Pointe の動き

これらを90分で網羅的に解説する、ということに先日ロシアバレエe予備校校長石島みどりが挑戦しました。

その時用意したテーマは下記の通りです。

1)バレエ教授法とは?
●ロシア国立バレエ・アカデミーの使命
・ マリア・グリバーノワ先生のお話(ワガノワ・バレエ・アカデミー教授法学科長)
・ ロシア・バレエ・メソッドは●●されたメソッド
・ 入学テストの意義
・ 入学テスト、最近のトレンドとして

2)基本的概念
・ 両手バーと片手バー
・ 軸脚と動脚
・ En dehorsとen dedans(3つの考え方)

3)教授法解説(第1学年)
●Barre の動き
・ 手のポジション
・ 足のポジション
・ Plié
・ Battement tendu
・ Battement tendujeté
・ Rond de jambe par terre
・ Battement fondu
・ Battementfrappé
・ Petit battement sur le cou de pied
・ Rond de jambe en l'air
・ Adagio (最初に学ぶのはdéveloppéではない)
・ Grand battement jeté(relevé lentとの関係性)

●Center の動き
・ Poseの考え方(épaulementとは?)
・ Port de bras
・ Arabesque
・ Pas de bourrée simple

●Allegro の動き
・ Temps levé
・ Changement de pied
・ Échappé
・ Assemblé
・ Sissonne simple
・ Jeté

●Pointe の動き
・ Pas relevé
・ Pas échappé
・ Pas assemblé soutenu
・ Pas de bourrée simple
・ Pas couru
・ Pas de bourrée suivi
・ 回転
・ 歩き

これらをスライドにまとめ、オンライン講座を開きました。


終了後、参加者からたくさんの喜びの声が届きました。

その一部をご紹介します。


他にも好評価が届いておりますので、目標は果たせたようです。


読者さんもタイマーを用意して、90分で解説することに挑戦なさってみてください。

きっと、課題が見つかると思います。

あとは、その課題を一つ一つ克服していくことで、指導力は着実に向上します。

参考までに、その時の石島校長の動画を、ご覧いただけるようにいたしました。

使用したのは上記スライドのみです。

原稿やメモなどは何も見ずに解説したライブ配信の一発撮り映像となっています。

なお、第二弾を2/11(火・祝)に開催する予定です。

興味ある方は、こちらからお申し込みください。

第一弾全編はこちら