主な活動場所
insecter(虫屋)として身近な昆虫をはじめとした自然観察を行なっています。

 春の蛾たち

2023-04-02
どうもこんにちは、insecterです。今朝、私は知り合いのやっているライトトラップを見に行きました。今回はそのライトトラップの様子を紹介します。

まず、ライトトラップとはその名の通り、昆虫の光に集まる習性(走光性)を利用した罠です。ライトトラップは白い壁や布に光を当てて反射させ、多くの昆虫に気付いてもらえるようにします。この時に使う光ですが、LEDはあまり昆虫を集めないようで、水銀灯やブラックライトが良いと言われています。

今回は日の出の少し前にお邪魔してライトトラップの様子を見せてもらいました。

3つあるポイントの内の1つ目です。ここにはこんな蛾が来ていました。左がタケウチエダシャク(学名Biston takeuchii・チョウ目シャクガ科)で右がマツキリガ(学名Panolis japonica・チョウ目ヤガ科)です。タケウチエダシャクもマツキリガも私が見たのは今回が初めてです。マツキリガの翅がとても美しい事に私は感動しましたが、あまり上手く撮れませんでした。

2つ目のポイントではこんな蛾が来ていました。左がオオシモフリスズメ(学名Langia zenzeroides nawai・チョウ目スズメガ科)で、右がマイコトラガ(学名Maikona jezoensis jezoensis・チョウ目ヤガ科)です。オオシモフリスズメはおそらく本土で最も重い蛾です。手に乗せるとずっしりと重みがあり、幼虫も13cmくらいまで成長するそうです。そしてマイコトラガは複雑な模様で蝶の仲間にはない美しさがありますね。

3つ目のポイントにはイボタガ(学名Brahmaea japonica・チョウ目イボタガ科)が来ていました。イボタガは春の蛾の代表です。この複雑な翅の模様はフクロウに擬態しているらしく、天敵がつつくと前翅を広げて後翅を見せつけます。このイボタガはヤマガラ(学名Poecile varius・スズメ目シジュウカラ科)につつかれていたところを見つけました。ちなみに月刊むしの今月号の表紙もイボタガですね。

今回のブログは色々な蛾を紹介したのでカラフルになりました(笑)。皆さんも身の周りの蛾を探してみてください。よくビルの壁や自動販売機の灯りに集まっていますよ。

次回はここで採集した蛾を標本にする様子をお伝えする予定です。