伝統文化の練習とは、練習の意味とは(東京支部より転載)
2018-06-06
皆さん、こんにちは。
だいぶ日が経ってしまいましたが、4月の末日、中央大学合気道部を訪問し、練習を見学させていただきました。
通常、他流の人間に稽古風景を見せる事はありえないと私は認識しています。
技を門外に見せるのは、よろしくない。
従って、養芯会も稽古風景はあまり見せない。見学も連絡を受けてから段取りを組みます。
卒業生である事と、監督と何度も中国でお会いしてきた縁で、見学許されました。
事情あって途中からの見学になりましたが、非常に有意義な時間でした。
中国武術と日本武術、体系が違うので、技を見てあーだこーだという事は出来ません。ですが、体術として、無理なく動かねばならない理由に「徒手空拳とは限らない」と言う処が、陳氏太極拳と同様で、それに合わせて「何か武器を持っている延長」としての体術です。熟練者程、動きに共通点が出てきます。
このへん、陳氏太極拳王雁洛陽派も同様なので、見ていて得心です。
体幹、足さばき、目線、気力の先など、伝統武術であります。
何度も型をこなし、投げられ、無理なく動く練習・・・・・と言うとラクチンそうですが、皆さん、手足共にボロボロで、初心者ほど大変な事になっています。
が、女子だろうと弱音は吐きません。
何しろ、試合ではない世界なので、男女・体格等は関係ありませんから。
練習後、自己紹介をした後、見学のお礼にこちらも技を2種類お見せしました。
学生さん達は太極拳の技術に興味津々らしいのですが、私的には日本武術の凄みを知っているので他の体系を求めるよりも手にある技術を磨くように言いました。
なんて、俺ってば偉そうなんでしょ!
その後、古参の各先輩と御食事に行ったのですが、かねてよりお世話になっている監督は武人から何時ものフランクな部長にジョブチェンジし、皆さんと楽しい時間を過ごしました。
・・・・・もとい。
楽しい時間ですが、そんな中も、凄く為になる話や同じ伝統技芸を学ぶ者として真剣に考える事が多々あり、最後まで気が抜けませんでした。
古巣の空手道場では最後には先輩に連れまわされて記憶をなくしますが、やはり母校ではそうもいきませんので、最初から最後まで、きっちりと覚えています。
次回、合気道の見学を通して改めて感じた「伝統武術の可能性」について書いてみたいと思います。
陳氏太極拳 塚本