動く姿を思い描く事。

2016-05-27
皆様

何度か授業中に説明しています、意念について別の角度から解釈。


例えばです。

これから木を彫って人形を作ろうとします。

目の前に木を彫りながら人形の形を考える事も有るでしょう。
でも、彫り始める前に、木をよく見て、自分の箟の穿つ方向や
生まれ出る立体を模索するでしょう。

そうなのです。先ず、思い有って箟を繰り出すのです。

現在の練習環境だと、鏡があるので、皆さん一様に鏡を気にしてしまいます。
ですが、初動の前に

  己が動くべき方法とその先

これを心に刻み、全身に命令しなければなりません。

生徒さんによっては、私が皆さんと一緒に動かない事について、何だか物足りないと感じているかもしれません。だから、私が前に出て動くと、私の動きに合わせて視覚を全力で動かすでしょう。

ですが、それはあまりお勧めできる上達方法では無いのです。
まず、私は皆さんと本来の動きが全く違います。YOUTUBEで出ている動きが私の本来動いている姿です。エライ人が沢山いたので頑張って動きました。
普段は皆さんには私の動きは見せません。
何故かと言うと、悪影響になるからです。沢山の練習を重ね、レベルに合わせて何度も修正を掛けて来た動きです。表面だけ見て真似をすると、とんでもなく違う事に成ったり、似ているけれど身体に悪かったりします。

ですので、私は皆さんの前で一緒に動くときは極力それぞれの練習水準に合わせて動きの質を変更します。
しかし、それでも完全に皆さんと同じ様に動く事は不可能です。あくまでもイメージ。私の身体が私なりに皆さんと同じ質で動いた『つもり』なのです。


大事なのは皆さん一人一人が、自分が動くべき内容を得心し、実践する事。

一緒に動く時に見える『お手本』はあくまでも動作イメージです。


私や指導員が出す『動くべき課題と心構え』これを実践する事が体質を変え、地力をつける第一歩になります。

身長160センチ少しで体重50kgの私と同じ見た目で動くより、内観を全開に働かせて己をコントロールする。

そうです、体術の第一歩なのです。


塚本