合宿の目的と成果について後述

2016-05-09
皆様

合宿の感想はいかがでしたでしょうか?

こちらに各人レポート頂けると記憶の共有と多面的な記録になると思います。


さて、私の今回の記載は外部公開します。

中国で修業を続け15年。初回の3年間は師父のもと、師兄弟達とそれこそ休日も無く毎日6時間の練習(たまにさぼりますが)。

言葉も環境も、文化に対するアプローチも全く違います。
師弟関係の概念も現代日本のそれとは違う。

お金を払って教室に来ると何でも教えて貰えて、強くなれたり秘密を入手できるわけもない。

実力、人間性、運、そして時間。様々な要素を含め、やっと自分の求める技術の入り口に立ち、そこから納得するまでの練習を経てやっと一部の技術の習得に至る。

動きをなぞるだけであれば、DVDを見てなぞればいい。強いパンチが打ちたければサンドバッグを叩き続ければよい。

ですが、伝統技芸はその先を見なければなりません。

水月班はそこまでの要求は無いにせよ、皆さんが練習する技術には更にその先があると知れば練習にやりがいも出るでしょう。

本科の皆さんは自分達の目指す先が認識出来れば、そしてそこに辿り着くのには個人のチカラと関係では無理であると解れば、しなければならない事や自らの価値について理解し更なる研鑽に繋がると思います。

今回の合宿については、極力私自身は師父・師娘の指導にはタッチしませんでした。
理由は、中国語での指導・文語体での指導・武術だけでなく漢方・兵法等の特殊用語を含む単語や言い回し、そして指導する技術レベル。

全てにおいて、全力で感性を働かせて、己が内観によって今出来得る納得を掴む訓練の為です。理解できなかったところはチームとして摺り合わせを行い、切磋琢磨とすればよいです。

実際、今回の技術リクエストの内容は私が全て回答可能です。

ですが、私と言うフィルターを通さずに、各々が全力で耳を傾ける時間が大事なのです。

一月の留学で掴める技術など、たかが知れています。なぞってオシマイでしょう。

日々の鍛錬とその答え合わせ、更なる疑問と課題の取得。これこそ、養芯会に求められる姿と思います。

私と同じ事を皆さんが個人でするのは不可能です。あらゆるものを捨てて掛からなければ、届くどころか行く当ても見定まりません。

ですが、それぞれの力と思いを結集して臨めば私が行った事に近い結果を垣間見る事は可能です。

今回の5月1日の活動で各方面に対し養芯会の名称が出現しました。
既に、一般的な太極拳の愛好会ではありませんし、師兄弟、関係者からの評価と期待が高い事は皆さんご存知の通りです。

王雁の拳を受け継ぐ者として私は責任を果たします。

皆さんにはこれまで以上に目的意識を持ち、努力する事、更に次世代に伝える準備を期待します。

ただし、努力は程ほどに。過剰な努力は片手落ちになり兼ねません。
あくまで、太極拳とは文化鍛錬とは人のチカラの一つですから。