踏み出す勇気について

2015-07-13
日本人学校高等部の皆様

こんにちは

先日の講演会、伝え切れなかった事を書きます。

皆さんは世界唯一の日本人の為の海外高等学校に在籍しています。

私は言葉を話せる事が国際的とは思っていません。そこで過ごすだけでも駄目。
何かを感じ、掴み取る事で自分と自分が関わる世界が見えてきます。

実は、先立って校長先生から皆さんにはそう言う素養があると伺っていました。
受験の成功例等も素晴らしいですが、その他のさまざまな面で非常に高い素養を
身に着けているようです。ほめ過ぎではないです。どこが良いのかは割愛!

では、講演で伝え切れなかった事について。

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もし、皆さんが努力や感動の無い日々を送り、地力が付いていなかったとします。
すると、掴み取れる事や感じ取れる何かが非常に少ない、味気ない物に落ちて行っ
てしまいます。

逆に常に前進を続けているほど、見出す価値は高まり、つかむ経験も豊かに
なっていくのです。

つかむ経験・掴み取る果実(民事法の用語で果実というのは成果であったり、
お金であったり・・・の意味です)は

 1、掴むだけの体力と技術
 2、見出す感性
 3、取りに行く勇気

この3つが不可欠です。そして、皆さんがもっとも重視するべきは3です。
体力技術感性はチャレンジする事によって身につけることができます。

当然、最初は怖いので『誰かが準備してくれている成功の確率が高いマト』
を狙っていく事になります。しかし、それでさえ簡単ではないです。
失敗したり旨く掴んで経験値を積みながら、最終的には自分でマトを探し
だし、掴みに行く事になります。

なんだか、学校での日々から卒業して社会に出て行く事と似ていませんか?

自分で決めて前に進む時が来ると言う事。

さて、さらにです。その時に次の問題が発生します。

必ずしも成功するとは限らない。というよりも、上手くいかない可能性の方が
高いと言う事です。世の中は全く持って平等ではない。誰でも仲良く一等賞は
絶対にあり得ない。

脱線しますが、『みなが平等に』の世界で生まれるのは過度な利権や差別です。
現実の世界では『優しくて高度なモラルを喚起する言葉』にはもう一つの側面が
あると言う事。詩的正義にはいけにえの存在が絶対なのです。

世の中は一応のルールとおきてが存在します。ですが、誰もが果実をつかめる
わけではなく、一切の保障は無い。予測によるリスク回避と保障は違います。
大手企業の信用は保証ではなく、システムの信頼によるリスク回避です。

乱暴に表現すれば、勝つ奴と負ける奴が必ず出ると言う事。



敗北はダメージを被る。
気力もなえる。
面子も無くす。

・・・・・・ならば、前に進まなくても良いか?掴みにいかなくても良いのか?

駄目です。貯蓄は無くなる物です。そして、貴方が手をこまねいている間に、
隣の奴が取りに行きます。

前例が無いからそのプロジェクトはやってはいけない。
そんな考えを持っても、実行するのは面倒。
とりあえずの利益を出すのは、内部構造改革(リストラ)とコストダウンだ


たとえば、そう言う事を考えて2の足を踏んでいる間に、日本は画期的な
製品の開発が遅れて、世界市場に打って出る製品が少なくなってしまったと
思いませんか?私はそう感じています。『先人の貯金』を使ってきた世代の
一人ですが、ここから踏み出す為の作戦を立てています。

2番じゃ駄目です。みんなで一つしかない1番の席を執りに行くからこそ、
全員の発展があるのです。


常勝し続ける事は無い。であれば、負け続ける事も無いです。
失敗する事は後退ではないです。勇気を持ってチャレンジした結果見える
世界が沢山存在します。

やってみよう!と決めたら、怖くても前に進みましょう。
精一杯努力した後は全ては天の差配で次の道が見えてきます。

自分自身で決めた歩みは力強く、そして楽しいものです。

但し、何でもかんでも無軌道に行動して改革革命を唱えるのも駄目です。
今ある世界、暮らしが寄り良くなる様に、歩みと保持が調和していなければ
最終的にはねじれて行ってしまう。

変えてはいけないモノを受け継ぎ、護り、そして前へと歩む。

それが社会を支え、発展させるのだと私は信じています。

人の思いが人生を形成し、社会を作る。

皆さんの様に、素晴らしい教育を受け、努力を重ねる日々を過ごしていれば
間違いなく沢山のチャンスに遭遇するでしょう。
 可能性は無限ではない。でも、努力した分、勝ち取った果実の価値は上がり
ます。がんばった分、明日掴むチャンスはもっと良いものになるでしょう。

すなわち、皆さんの踏み出す一歩一歩が世の中をよりよくする一歩になって
行くのです。社会と人がつながっています。会社内でのがんばり、学校での
努力、家庭の中でも、護り踏み出す力が連鎖します。

もし、万が一、
『努力なんか、かったりぃなあ』
『もし、失敗したらヤだし・・・』
と感じる事が多い人は、エネルギーがたまっていない自分を責めてはいけない。
できる事、楽そうな事からチャレンジしていきましょう。3回くらい上手く
いくと、新しい発見がきっとありますから。



私も負けない様にがんばって行きます。



では、とても長くなりましたが、これにて!


陳氏太極拳第二十一世十三代伝人
陳氏太極拳養芯会
塚本博信