動作を覚える事と上達すると言う事

2013-12-08
みなさま

昨日の練習で気がついた事をちらほらと書いてみます。


師範代とも話したのですが、やはり、皆さんの上達速度は上がっていると感じます。
ですが、残念ながら各人は上達したかどうかは自己判断は難しいと思います。

ここで、ちょっとだけ、私が言う上達と皆さんが感じる上達のギャップについてお伝えしなければなりません。


皆さんは新しい動きを覚えて、スムーズに動けるようになると、上達したと思われるかもしれません。

ですが、それは上達と私はみなしません。凄く厳しい表現です。
表面の形をなぞるだけでは、中腰でゆっくりパラパラを踊っている様なものです。

パラパラ・・・・懐かしいですね。

さて、最初に動作を覚える事は当然なのですが、それが中々難しいです。
一つの動作、ランジャーイーをとってみても、手を回転させて構え、足を踵から出し、回転して体軸を変える・・・・めんどくさいデス。

ですが、これを先ず覚えていただかないといけません。

これは覚える事です。沢山の動作を覚えるというのはさながら、教科書の単語やセンテンスを覚えたり、パソコン上のキーの配列を覚えたり、CADの操作手順を覚える事と一緒です。

ですが、大事なのはその使用法の意味を思い描き、体現していく事なのです。
英語の文章を書いたり、英語でディスカッションしてみたり。数学の数式を利用して問題を解明したり、アプリケーションを使ってプレゼン用の資料を作ったり、図面を書いたり・・・・・

私が、上達してきた!と感じるのは、無骨でぎこちなくても、実際に覚えた動きを使って太極拳の体術を体現し始めた所にあります。
一つの段階を超えると、さらに次に深化していきます。

うちの教室では、直ぐに次の動作へと進む事は絶対にしません。

先ずは体術として一つの動作の感覚を掴んだ事を前提にして次に進み、さらに肉付けしていきます。
凄く面倒な作業です。
ですが、逆に言えば、初期段階からこれを通していけば、後になればなるほど、動きを覚える事も、術を理解するのも早くなるのです。
すなわち、急な事情で上海を離れる事になったとしたら、促成で残りの動作の表面だけ学んでも、自己練習で内面を付け加えていく事ができるのです。

これが本来の陳家溝の鍛錬方法・伝承方法です。

現在の生徒さんたちは確実に上達し、さらに新しい技を覚え、先の技も深化する流れにいます。

さて、覚えると言う事に特化して付け加えると、

ABCDEFG

の内容を教わった後、自己練習で体現できるのはそのうちの
ABFGかもしれません。もしかしたら、練習しているうちに、
ACFGになってしまうかもしれません。

ですが、練習において身に付いたACFGはより磨きが掛かります。
その練習の過程で『意念』=今の動きの意味・体術の真理を一寸でも感じることができれば・・・・いえ、練習していると、逆に思い出すのです。

  あ、そういえば、BとDEがまだあるぞ!この3つを加えるともっと
  スムーズに動けるぞ! 

という具合に。

華拳繍腿という言葉がります。格好ばかりの見せ掛け技術と言う意味です。ですが、先ずは格好について真剣に考え、意味を思い出し鍛えていかなければなりません。

千里の道も一歩から。

練習を続けていると、気がついたら相当な距離を歩いている事に気づかれるはずです。

切磋琢磨!!です