研修会_小園地区社会福祉協議会6年度

2025-02-05
【視覚障がい者の誘導を体験】

 小園地区社会福祉協議会(小園地区社協)2月定例理事会の後、綾瀬市社会福祉協議会(綾瀬市社協)の香山様を講師に、補助者として中林様、菅村様を迎えて、小園自治会館で視覚障がい者の誘導方法について体験を交えて研修を行いました。
 綾瀬市社協は市内の小学校の子ども達を対象に「福祉の種まき授業」として、障がい者へ対処方法などをわかりやすく説明して、福祉への理解を深める活動を行っております。

 障害とは、精神や身体の器官が、なんらかの原因(先天的な原因、または病気や怪我など)で、本来の機能を果たすことが出来ない事や状態を指します。香山様は、何の障害もない人の暮らしを〝ふだんのくらし〟と言い、これについて行けない人を〝障がい者〟と言うと、解りやすく説明してくれました。
 現在の教育環境は「障がい者を差別しない」との考え方に基づいて、インクルーシブなどの教育方針により「同じ環境の中で勉強する」ことが当たり前になっております。よって、子ども達の心はバリアフリーで、障がいのある子に対して偏見がなく、〝ただ、身体が不自由なだけ〟しかし、自分たちとは違うから、〝あまり近寄りたくない〟と思っていると子ども達の心境を察しているようです。その感情を取り除くため、福祉を教えております。
以上の内容の現況報告がありました。

 今回の講話は視覚障がい者の誘導に焦点を絞って、体験を交えて講義していただきました。
 はじめに、アイマスクをして、右に90°向かされ、次は回れ右をし、次は左に90°向かされ、次に回れ右をして、最後に左に1歩ずれる、行動をさせられました。アイマスクを外すと指示通り動いた方は数名で大多数が別の方向を向いていました。「暗闇の世界」で行動することの大変さを実感させられました。
 次は、ペアになって、アイマスクをした視覚障がい者(模擬者)を前のイスに座らせる誘導を行いましたが隣のイスにぶつかるなど苦労しておりました。
 その後、誘導方法の説明があり、「イスに座らせるには視覚障がい者の左手を持って(右手は白杖を持っている)、背もたれと座面に触れさせれば、自分で座ります」と解説されました。

 次は、誘導の基本や、白杖(はくじょう)、点字ブロック、音の出る信号機などの視覚障がい者には必要不可欠な決まり事や機能について、解説していただきました。(詳細は後記参照)
 解説の次は、誘導体験です。誘導する人とされる人のペアを替えて、ホールから玄関を通って段差のある階段をクリアしてホールに戻るコースで、多少時間はかかりましたが、誘導者は丁寧に説明して着実に誘導しておりました。最後は、靴を履かせる体験で靴箱のどこに置いたか、靴の特長などを聞き取って履かせておりました。間違いはなかったようです。
 健常者も事故や病気によって、ある日突然、視覚障がい者になってしまう場合があります。その備えとして、常日頃から、お互いに助け合い、支えあい、協力し合うことが必要なのです。これが福祉です。
 参加者からは「障がい者との関わりがないので、今までは他人事のように思っていましたが、今回の視覚障がい者誘導研修の体験から、自分が実際に誘導する(される)状況に遭遇した時、お互い同じ気持ちになって、躊躇なく行動に移せるかもと思いました。体験学習は一方的な講義より頭に入った。和気あいあいと体験することができて良かった。」などの声がありました。

視覚障がい者を誘導するに当たって
誘導の基本
☆ 誘導される人はする人の肘を軽く持つ。
☆ 誘導する人とされる人の間にはある程度の間隔が必要である。
☆ イスに座らす時には背もたれと座面を触れさせるだけで良い。
☆ 誘導される人の体型を考慮する。(背丈が高い場合は上空にも注意)
☆ 会話は誘導している人から始めない。
☆ 歩道で誘導する場合は障がい者を車道側にしない。

白杖(はくじょう)とは
☆ 視覚障害者が歩行する際に使用する白い杖です。
☆ 道路交通法で携帯することが義務付けられている。
☆ 路面の状態や段差、障害物などを確認するための用具です。
☆ 視覚障がい者であることを周囲に知らせる。

点字ブロックとは
☆ 視力が無かったり、視力が低下している人が安全に移動するために、地面や床面に設置された四角形の案内板です。
☆ 誘導ブロックは、移動方向を示す棒状の突起がついており、突起の方向にしたがって進むことができるよう設置されている。
☆ 警告ブロックは危険な場所や目的地を示す点状の突起がついており、横断歩道前や階段前、誘導ブロックが交差する分岐点などに設置されている。
 
音の出る信号機とは
☆ 視覚障がい者が、安全に横断歩道を渡れるように設置されている。
☆ 音の出る信号機は、「ピッポー」と「ピピポ」と2種類の音で誘導します。