小園憩の家 「レコード・CD鑑賞会」

2024-11-19
【レコード・CD鑑賞会が11回目を迎えました】
 朝から気温が上がらず寒い一日となった11月19日(火)の午後1時半から、「小園憩の家」参加型・多世代交流事業のレコード・CD鑑賞会が小園自治会館ホールにて開催されました。今回は、次の3部構成になっています。
第1部 「春の小川」「荒城の月」2つの唱歌について
第2部  参加者から思い出の曲リクエスト
第3部  小澤征爾と山本直純、ボストン・ポップス
<語り手:4区岡田さん>
 第1部では、時代による音楽の移り変わりの話がありました。日本では日々の暮らしの中、音楽がラジオからテレビの時代へ、そして時を経てSNSの普及による音楽配信の時代へと移り変わってきました。特に今回は、歌詞やメロディーの移り変わり(アレンジ)の話になりました。
 まず、古く明治時代1912年に発表された文部省唱歌の「春の小川」の文語体の歌詞が、時代と共に口語体へと改められて今に至っている経緯の説明がありました。歌詞の一部をご覧ください。
〔1912年 春の小川は さらさら流る → ~さらさら行くよ 
     咲けよ咲けよと ささやく如く→ ~ささやきながら〕
 次に、滝廉太郎の「荒城の月」では、伴奏を頼まれた山田耕筰が、歌手が歌いやすいように移調して、一部シャープ♯を削って半音下げた曲が、そのまま誰もが知る有名な曲となったと解説してくれました。このオリジナルとアレンジされた「荒城の月」の違いを、恒例となった2区三浦浩さんのフルート生演奏で聴き比べました。一音でも違うと曲の持つ雰囲気に影響があることを感じて驚きでした。
 第2部は、リクエストタイムです。今回は、4区中嶋さんからのリクエストで、メンデルスゾーン作曲の管弦楽曲「結婚行進曲」が紹介されました。結婚式の入場などに流れる定番のメロディー演奏が始まると、会場の皆さんが、その華々しい音色と弾むテンポに気持ちが高揚していました。
 第3部では、小澤征爾と山本直純、ボストン・ポップス、ジョン・ウィリアムズの話になりました。今年2月に、世界で活躍した指揮者の小澤征爾さんが亡くなりました。ボストン交響楽団の音楽監督を29年間務めていた間、ボストン・ポップスは軽音楽・映画音楽を世界に広め、運動会の定番曲や映画音楽など身近な曲を世界に送り出していきました。ボストン交響楽団の夏の活動拠点タングルウッドには、セイジ・オザワ・ホールが建設され、さらに誕生日の9月1日をボストンでは、セイジ・オザワ・デーに制定しました。そして、小澤さんと盟友だった山本直純さんとの関係については、「オーケストラがやって来た」のプロデューサーの名言が残っています。
「直純は、音楽を大衆化し、小澤は、大衆を音楽化した。」ふたりは、深い友情で結ばれて互いを尊敬しあっていた音楽家だったのです。晩年、小澤さんは病と闘いながら、車イスに座って指揮棒を振りました。その時の映像が会場に流れると、小澤さんの気迫に、会場の皆さんは思わず拍手をしていました。
 第3部の最後に、ボストン・ポップスの常任指揮者に就いた、ジョン・ウィリアムズの作品である、「スーパーマン」「スターウォーズ」「インディ・ジョーンズ」のテーマ曲を聴きました。音楽に映像がプラスされることで、音楽が鑑賞の域を超えて、世界中で親しまれ生活に欠かせないものになっていく様子がよくわかりました。
 今回も、語り手の4区岡田さんが、曲や歌詞の背景などを丁寧に解説してくれました。スクリーンに映し出された懐かしい映像やホールに流れた曲の数々、鑑賞会の趣向を凝らした企画に、楽しいひと時を過ごすことができました。次回は、どんな話(エピソード)や曲に巡り合えるのかワクワクします。これからもよろしくお願いします。
参加人数は、28人でした。

 1回目からテーマの選定・選曲・構成・音響などに携わってきた4区岡田さん、2区三浦さん、5区野瀬さん、ありがとうございました。(感謝)
 ※その他の写真はこちら→