主な活動場所
神奈川県立神奈川工業高校 武道場

 北辰館設立趣旨書

2023-01-14
 剣道は終戦後中断せられておりましたが、独立致しました現今におきましては、復活致し、各分野において益々隆盛の気運に向かいつつあり、且つ一般青少年にも国民教育として、広く推奨せられる事になって参りました。
 この秋にあたり、当北辰館は時勢の進展に伴いここに設立し、剣道により精神的効果と文化面に貢献致したい所存でありますので、今般各位の絶大なる御支援と御協力によって道場を開設致すことに相成ったのでありますが、道場の建設等については目下設計中で御座いまして、差当り神奈川消防署剣道道場使用方の御承諾を得ましたので、斯道に御修練御愛好の諸賢は、奮って御入会下さるよう御願い申し上げまして、茲に道場の設立致しましたことを御案内申し上げます。
 追って当北辰道場の由来は次の通りであります。
 北辰一刀流流祖、千葉周作成政先生は、小野派一刀流を学び、その極意を得るに及んで、人倫の常道を全うする不動の精神を養うには、万代不動の北斗星の如くと、之を信仰し、冠して北辰一刀流剣道を完成し、水戸藩に伝う、藩の師範役、小沢寅吉政方先生之を受け、東武館を設立し、長子一郎弘武先生に伝える。
 不肖勝三郎は先生に師事其の指南免許を授かる。明治四十一年神奈川県に住まう、大正六年神奈川県教頭 小野派一刀流、高野佐三郎豊正先生に師事、先生没後再び北辰一刀流に還元して、井上義晴氏に協助し、北辰館を設立、広くこの精神を伝えんとす。

昭和三十年四月一日
                 北辰館長    井上 義晴
                 師範役剣道師範 横松 勝三郎