詩篇90
2025-03-25

美しい詩を読むと心が豊かになります。本当はメロディーがあったはずです。
神の人モーセの祈です。ここから詩篇の第4巻です。
「主よ、あなたは世々われらのすみかで/いらせられる。山がまだ生れず、あなたがまだ地と世界とを造られなかったとき、とこしえからとこしえまで、あなたは神でいらせられる。」(1,2節)
ヤハウェ神は人々の住処を備えられました。そして創造の始まる前から神であったと証言します。
「あなたは人をちりに帰らせて言われます、『人の子よ、帰れ』と。」(3節)
人間は土から創造されました。死ねば土に戻ります。創世記3:19にあるとおりです。
「あなたの目の前には千年も/過ぎ去ればきのうのごとく、夜の間のひと時のようです。」(4節)永遠の過去から生きている神においては、人間の時間軸とは全く違うのです。
「あなたは人を大水のように流れ去らせられます。彼らはひと夜の夢のごとく、あしたにもえでる青草のようです。あしたにもえでて、栄えるが、夕べには、しおれて枯れるのです。」(5節)青草は一夜で枯れることがあります。人間もそのように短期間しか生きられません。
「われらのよわいは七十年にすぎません。あるいは健やかであっても八十年でしょう。しかしその一生はただ、ほねおりと悩みであって、その過ぎゆくことは速く、われらは飛び去るのです。」(10節)
当時も今も人間の寿命は70年か80年です。モーセは120歳まで生きたそうですが、一生は骨折りと悩みに満ちていたのです。
「あなたがわれらを苦しめられた多くの日と、われらが災にあった多くの年とに比べて、われらを楽しませてください。」(15節)
モーセは神からの苦しめを受けていたので、楽しみも与えるように祈ったのでしょう。
「あなたのみわざを、あなたのしもべらに、あなたの栄光を、その子らにあらわしてください。」(16節)
本来、愛の神ですから、人々に良いことを与えられる能力があります。モーセは僕としてその子孫に神の栄光を表してほしいと願います。
「われらの神、主の恵みを、われらの上にくだし、われらの手のわざを、われらの上に/栄えさせてください。われらの手のわざを栄えさせてください。」(17節)
モーセは神からの恵みによって、自分達の行いが栄えていくことを願います。多分、この当時モーセはかなりの高齢だったのでしょう。自分がエジプトからイスラエルに帰還する任務を神から与えられ、その重圧を感じていたと思います。モーセは数十万人を率いて出エジプトを行い、多くの問題を抱えて40年間荒野をさまよいました。
今日このような重圧を耐えることができる人は、いないかも知れませね。