詩篇12
2024-11-09
美しい詩を読むと心が豊かになります。本当はメロディーがあったはずです。
これもダビデの詩ですが、内容はかなり暗いものです。ですが、何と現在を見通したかのような内容です。
「主よ、お助けください。神を敬う人は絶え、忠信な者は人の子らのなかから消えうせました。」(1節)
神を敬い神に忠節な者がいなくなってしまったと現状を述べます。
「人はみなその隣り人に偽りを語り、へつらいのくちびると、ふたごころとをもって語る。」(2節)隣人も偽りの言葉を述べ、欺瞞の言葉、不正直な言葉を語ります。
「主はすべてのへつらいのくちびると、大きな事を語る舌とを断たれるように。」(3節)
ヤハウェ神にそのような表面だけ形を整えた言葉や、大言壮語するような舌が断たれることを願います。
「彼らは言う、『わたしたちは舌をもって勝を得よう、わたしたちのくちびるはわたしたちのものだ、だれがわたしたちの主人であるか』と。」(4節)
最近はディベートといって自分の意見を押し通すことが良いような風潮ですが、その者たちの言うことが「自分の思うことを意見して何が悪いのか。自分の主人は自分だ」というものです。何と3000年も前に同じような風潮があったということです。
「主は言われる、『貧しい者がかすめられ、乏しい者が嘆くゆえに、わたしはいま立ちあがって、彼らをその慕い求める安全な所に置こう』と。」(5節)
神はそのような状況に行動を起こします。資力のない者の私財が取られ、無力な者が嘆いていることを看過できないのです。神は立ち上がり、そうした力のない者を安全な場所に置くことをされます。神様の保護の下に入れば安全にかくまってくださいます。神様は招いていると思います。「神の下に逃れなさい」と言っているのです。
「主のことばは清き言葉である。地に設けた炉で練り、七たびきよめた銀のようである。」(6節)神の言葉は精錬されています。7回精錬された銀のようにとても純粋で価値のあるものです。神の言葉を無視すると、悪い結果を生むことになります。天と地のすべての起きる事柄で、神が知らずに起きることはありません。人間が行えることは、ほんの少しのことしかできないのです。傲慢は罪を生みかねません。
「主よ、われらを保ち、とこしえにこの人々から免れさせてください。」(7節)
ダビデは、自分たちがこのような偽り者から離れていることができるように願います。誰でも、独善的な意見を言う人からは離れたいものです。主義主張が正しければまだ良いですが、間違った意見を通そうとするのは勘弁してもらいたいものです。
「卑しい事が人の子のなかにあがめられている時、悪しき者はいたる所でほしいままに歩いています。」(8節)
悪がのさばる世界では、神から見て卑しい事があがめられているようです。