黙示録18
2024-09-27
「賢者は歴史に学ぶ、愚者は経験に学ぶ」とあります。歴史は未来を語ります。
黙示録の17章もかなり情報量が多いので2回に分けます。今回は17章の前半です。
ヨハネは新しい幻を見ます。7つの鉢をもつ7人の御使の一人がある女性の裁きを見せます。
「『さあ、きなさい。多くの水の上にすわっている大淫婦に対するさばきを、見せよう。地の王たちはこの女と姦淫を行い、地に住む人々はこの女の姦淫のぶどう酒に酔いしれている』。」(17:1,2)多くの水は「あなたの見た水、すなわち、淫婦のすわっている所は、あらゆる民族、群衆、国民、国語である。」(17:15)つまり揺れ動く人々のようです。この女は地の王たちと姦淫を行いとありますが、国の王と結びついて間違ったことを教える偽預言者のようです。なにしろこの大淫婦は多くの人々の上に座って君臨しているのです。王たちはこの影響力を自分たちも欲しいと近づきます。日本でも政治と宗教団体との癒着が問題になりますが、昔から行われてきたことなのです。姦淫としているのは王や人々と宗教団体との違法な結びつきのことでしょう。
3節で「わたしは、そこでひとりの女が赤い獣に乗っているのを見た。その獣は神を汚すかずかずの名でおおわれ、また、それに七つの頭と十の角とがあった。」とありますが、これは13章で現れた獣かもしれません。獣は地上の王国を表していました。
この女は「その額には、一つの名がしるされていた。それは奥義であって、『大いなるバビロン、淫婦どもと地の憎むべきものらとの母』というのであった。」(17:5)とあるので大いなるバビロンという名前があります。淫婦や地の憎むべきものらの母でもあります。かつてのバビロンも塔を建てようとしましたが、それは頂を天に届かせようとするものでした。つまり、間違った教えの最初だったかもしれません。その後バベルの人々は神に言葉を乱され(バベル)全地に散りました。間違った教えも全地に散ったということです。大いなるバビロンはその子供である淫婦や地の憎むべきもの(これは偶像です)、そのような間違った教えの母になったということです。
決定的なのは「わたしは、この女が聖徒の血とイエスの証人の血に酔いしれているのを見た。」(17:6)とあるように聖徒やイエスの証人の血を流してきたようです。つまり神に敵対する勢力です。
さらに御使は謎を説明します。「あなたの見た獣は、昔はいたが、今はおらず、そして、やがて底知れぬ所から上ってきて、ついには滅びに至るものである。~七つの頭は、この女のすわっている七つの山であり、また、七人の王のことである。そのうちの五人はすでに倒れ、ひとりは今おり、もうひとりは、まだきていない。それが来れば、しばらくの間だけおることになっている。」(17:8~10)
この時点で、使徒ヨハネは終わりの日にいるのでしょう。7人の王が同時にいることはないようです。5人はすでに倒れているからです。さらに御使の説明は続きます。第8の王が現れますが、ついには滅びるようです。(17:11)