黙示録10
2024-09-14
「賢者は歴史に学ぶ、愚者は経験に学ぶ」とあります。歴史は未来を語ります。
ここで、使徒ヨハネは別の幻を見ます。「もうひとりの強い御使が、雲に包まれて、天から降りて来るのを見た。その頭に、にじをいただき、その顔は太陽のようで、その足は火の柱のようであった。」(1節)雲に包まれている御使は1章でみたイエス・キリストかもしれません。「顔は、強く照り輝く太陽のようであった。」(黙示録1章16節)「その足は、炉で精錬されて光り輝くしんちゅうのようであり」(黙示録1章15節)とあるので、表現が似ています。
その御使は、「開かれた巻物を持っています。そして、右足を海の上に、左足を地の上に踏みおろして、大声で叫びます。すると7つの雷が声を発します。」(2,3節)これは御使が揺れ動く海のような人々と地に住む人々に立っていることを示しています。7つの雷は御座におられる神様からの音信でしょう。「御座からは、いなずまと、もろもろの声と、雷鳴とが、発していた。」(黙示録4章5節)とあるからです。
ヨハネがその声を書き留めようとすると「『7つの雷の語ったことを封印せよ。それを書きとめるな』と言うのを聞いた。」(4節)これは、まだ啓示するには時期がきていないからでしょう。このことは旧約聖書の預言者ダニエルも経験しました。「『ダニエルよ、あなたの道を行きなさい。この言葉は終りの時まで秘し、かつ封じておかれます。』」(ダニエル書12章9節)今後のいずれかの時期に啓示されるかもしれません。
ヨハネは、この御使から巻物を受け取り、それを食べます。「すると、わたしの口には蜜のように甘かったが、それを食べたら、腹が苦くなった。」(10節)多分、巻物の内容がヨハネにとっては甘く感じたのでしょう。しかし、内容をよく理解するようになると甘美なだけでなく苦い内容もあったのでしょう。
それというのも「『あなたは、もう一度、多くの民族、国民、国語、王たちについて、預言せねばならない』と言う声がした。」(11節)という命令があったからです。
これまでも、ヨハネは天からのイエス・キリストの言葉を書き留めてきました。そして各地の会衆の状態に応じて改善策を提示してきました。そして天を清めて地も清めるためにイエスは行動を起こします。7つの封印が解かれて、災いが地に及ぶようになります。戦争、飢饉、疫病によって多くの人が死ぬようです。
そのような裁きにあうのは、イエス・キリストの神を認めないからです。御使から額に印を受ける144000人と大患難をとおりぬける大勢の群衆は守られます。
地上にとっては、大きな患難がありますが、天に長老としてよみがえる144000人は天で神に仕えていますし、地上でも「神と子羊」を賛美する人々は大患難をとおりぬけるわけですから、死ぬことはないのでしょう。
こうして黙示録を読んでいると、神の御計画によって子羊であるイエス・キリストが働き、御使や長老によって新しい天と新しい地が着々と成就するのが解ります。