真理75
2024-07-10
皆様、真理に精通しましょう。真理が貴方の未来を左右するからです。
「マタイ伝」は新約聖書の一番初めの書になります。筆者の名前は明らかにされていませんが、4福音書の一つとして認められてきました。写本としては西暦150年頃のものが最古です。マタイはキリストの12弟子の一人で収税人でした。「イエスはそこをたち、通りがかりに、マタイという人が収税所に座っているのを見かけて、『わたしに従いなさい』と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。」(マタイ9章9節)収税人は当時、人々からも宗教指導者からも嫌われていました。税金を徴収していてローマ帝国の手先とみなされていたのです。しかし、イエス・キリストはマタイの心をご覧になって弟子にふさわしいと思えたので呼びかけたのです。それに、すぐに反応してイエスに従ったのですから、マタイもイエスを神に遣わされた人と理解していたのでしょう。
「マタイ伝」で以前から心に残っている聖句があります。「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。 だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。」(マタイ7章7節)叩けよ、さらば開かれん。という言葉の元です。原文では求め続けろ、探し続けろ、叩き続けろ、というらしく継続しないと成果は得られないという意味のようです。ですから、本来は叩き続けろ、そうすれば開かれる。ということでしょう。何事も地道に努力を続けないと成果は得られません。ものの道理を教えたのでしょう。つまり、良いことを行い続ければ、良い祝福が得られるということです。
マタイ伝で他の福音書と違う箇所がいくつかあるのですが、28章19.20節で「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、 あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」とあるように復活したイエスは弟子たちに命令を与えました。
神から復活の命を得たイエス・キリストは、二度と死ぬことはない霊者となりました。霊者ですから、時間の制約もない者として活動できるのでしょう。弟子たちはイエス・キリストを師として、教えられたことを守り、それをすべての民に伝えることが求められました。確かに1世紀にイエス・キリストに従う者はクリスチャンとして迫害にあいましたが、遠く世界に散り、そこで真理を伝えたようです。その後、ローマ帝国もキリスト教を受け入れました。
気になるのは「世の終わりまで」という言葉ですが、いつか世界は終わりを迎えるのかもしれません。科学者は50億年後には地球は太陽に飲み込まれると予測しているそうです。イエスが言ったのは、そのような時代まで、つまりはほぼ永遠に弟子たちと共にいると言われたのかもしれません。あるいはイエスの弟子がいる限りはこの世界は続くと言われたのかもしれません。真理はすぐにはわからないものです。これからも真理を探し続けたいと思います。