真理53
2024-05-15
皆様、真理に精通しましょう。真理が貴方の未来を左右するからです。
「エステル記」の次は「ヨブ記」です。この書が書かれたのはモーセの時代と言われていますが作者は不明です。しかし死海写本にもあることから古い時代から聖書として受け入れられたようです。内容はかなり難しいこともあって評価が分かれています。
ウツの地(パレスチナ地方)に住んでいたヨブは、神への信仰が厚くその地でも高名であったようです。その時に天で神とサタンとの会話があり、ヨブの信仰と忍耐がどれほどか試みられることになりました。それで、サタンによってヨブは財産や子供を失い、さらに自分の体も皮膚病に侵されます。そのような状態でも神への信仰を捨てないかどうかが記されているのです。
神は「地にヨブのように全く、かつ正しく、神を恐れ、悪に遠ざかる者の世にないことを気づいたか」と言われ、サタンはこう返します。「あなたの手を伸べて、彼の骨と肉とを撃ってごらんなさい。彼は必ずあなたの顔に向かって、あなたをのろうでしょう」。
財産を失い、子供も死んで、自分はひどい皮膚病になっても、ヨブは「われわれは神から幸を受けるのだから、災をも、受けるべきではないか」と言って罪は犯しませんでした。
しかし、その後の展開がすごいのです。3人の友人がヨブを慰めに来ますが、ヨブの苦しんでいる状態を見て7日間も何も話しません。よっぽどヨブの症状がひどかったらしく痛みと痒みとかがあって腫物で頭から足まで悩まされていたようです。ヨブは生まれてこなければ良かったと言います。それに対して3人の友は、事実と違うことを指摘してヨブに問題があったので神から懲らしめられていると言います。どの発言もヨブを慰めるものではありませんでした。
自分に置き換えると、日々の生活でも事故が起きたり、病気になったりします。その時に神を恨むようなことをしていないかということです。天では、今でも神とサタンが戦っているのでしょう。いずれ神が勝利することは確かですが、それまでに我々は多くの苦難を経験することになるかもしれません。その時にヨブの忍耐に学ぶことは大いにあると思います。ヨブほど敬虔な人物でも、苦難が長期になると間違いを犯したようです。
ヨブは、自分が正しいのに神はそれに気づかないと神の不備を言うようになります。これに対して神は「わたしが地の基をすえた時、どこにいたか。もしあなたが知っているなら言え。」そして自然の調和や生物の造りに言及して、創造したのは誰か考えるように促します。ヨブは自分の考えが間違っていたことを認めます。さらに神は3人の友の発言の非を指摘して、ヨブにとりなしをしてもらうように燔祭をささげるように言います。そしてヨブには財産が倍になり、さらに子供も10人生まれるようになったのです。
この結果、サタンの主張は間違っていて、人間は間違いもするが、神への信仰を続けていくことが、幸不幸にかかわりなくできることを証明したようです。ヨブほどの事態に遭遇することは稀かもしれません。でも、神は最後には必ず人々に祝福を与えてくれることが判ると思います。