敬愛主義1
2023-08-28
皆様、お元氣ですか?
今回は敬愛について、一緒に考えてみたいと思いました。
敬愛という言葉はあまり使うことがないと思いますが、今回は敬愛は「敬天愛人」という西郷隆盛の言葉から考えます。この敬天ですが、天は人も我も同一に愛し給う故、我を愛する心を以て人を愛する也という意味のようです。天下国家を考えた西郷の座右の銘のようです。天は人がどんなに判ろうとしても判らない宇宙の法則かもしれません。いわゆるサムシンググレートかもしれません。人間を超えた神とか仏とか偉大な実体なのかもしれません。お天道様なのかもしれません。日本人が考える人間を超越した自然の力なのかもしれません。いずれにしても人間の知恵では測りきれない何かですが、それは確かに自然の力にみられるようです。自然は確かに普段は空気や雨や光によって、力を示しています。
その天ですが、自然は豊かに自分も他人も等しく愛してくれているように思います。それで、自然が分け隔てなく誰でも愛してくれているように、自分も他人をそのように分け隔てなく愛そう、という意味でしょうか?
この言葉に触れて、西郷隆盛の偉大さが、また再確認できました。今こそ、このような精神を全ての人が持つべきではないかと思います。
それで、この敬愛主義を考えていきます。この敬愛主義は、これまでに人間が作り出したいろいろな主義において、最後に到達したものと考えます。人が集まると差別が生じて支配者と被支配者に分かれ、統治方法も、独裁主義、民主主義、資本主義、共産主義と、色々なやり方がありました。いずれも完全なものはありません。かろうじて民主主義が生き残っていますが、どうしても資本主義と重なるので差別や分断が起こります。
敬愛主義は、そのようなことが起こらないものです。中心にあるのは自然の愛を感じることです。自然の恵みに感謝して、他人よりよけいに物を集めようとしません。生きるために必要なものがあれば、それで満足することが基本です。他人と比べようとしません。自然は力があります。その力を少しだけ利用させてもらう。例えば、生きるのに必要な水は池に貯めさせてもらう。食物から少しだけ果実をいただく。森林を整備して家を作るのに必要な木だけ使わせてもらう。動物の乳を少し分けてもらう。そのように自然に調和した生き方しかしません。太陽も光を与えますがただです。雲は雨を降らせますがただです。魚も自分を食べるならその分のお金を請求したりしません。木の実も取ったからと金銭を要求しません。すべて愛情によって人間に無償で与えてくれているのです。
そのように、他者に対しても自然が行うように、無償の愛で援助をすればいいのです。別にお金でなくても、他者に笑顔で手伝うよと言えばいいのです。自分にできることを見返りを期待せずにするのです。
自然はgive&give(ギブアンドギブ)です。ただで与えてくれます。そのようにただで自分でできることをする。これが敬愛主義です。