主な活動場所
横浜市鶴見区社会福祉協議会の
団体交流室

 SDGs16

2023-08-09

皆様、お元氣ですか?
第15番目は「陸の豊かさも守ろう」です。
ターゲットは2020年までに陸の生態系を持続可能な形で使用する、世界全体で植林する、2030年までに土壌を回復する、多様な生物が生きられる山地の生態系を守る、絶滅危惧種を保護する、遺伝資源を適切に使う、密猟をなくす、外来種の駆除をする、国際的に生物多様性・森林保護に資金を使う、です。
すでにゴールが切られてしまっているターゲットもあるのですが、森林が守られているとは言えない状態です。そんなに簡単に土壌の改善ができるはずがありません。日本は昔から植林をしてきました。先進国で緑被率は高い部類です。それでも杉、檜のような針葉樹のみを植林してしまったつけが今、私たちを苦しめています。植林は200年、300年と長い期間をかけて、その土地に最も適した樹を植える必要があるのです。日本は恵まれた環境にあり、梅雨や台風があり、被害もありますが水不足になることは稀でしょう。水がないと生物は生きられません。世界では森林破壊、森林火災、焼き畑農業、農薬散布、遺伝子組み換え食品、密猟等がなくなっていません。日本は単位面積あたりの農薬使用量が世界3位だそうです。遺伝子組み換え、ゲノム編集作物も流通しています。
豊かな山を保護するには、先人達の知恵を借りるのが一番だと思います。先人たちは土地を開墾しますが、水脈を理解していました。上下水道の完備も日本は先頭でした。水の循環が理解できていたので、水を公平に分配することも考えて分水嶺を作りました。このように水の確保なくして生物の多様性は確保できません。土地に水を蓄えるのは広葉樹です。かつての里山は、このように村の必要な所に鎮守を置いて、周りにその土地の木々を植えて、住宅も街道に沿って作り、井戸を堀り、水路を作りました。
このように、日本は昔から里山を整備することで、自然に逆らわず、自然と融合するような生き方をしてきました。それによって生物の多様性が確保してきたのです。明治以降は欧米の侵略的思想に毒されて、成長・開発の手をゆるめませんでした。こうして里山は壊され自然と一体的に生きてきた村の生活も失われたのです。
今こそ、日本は以前の生き方に習うべきでしょう。里山を整備して、コミュニティーを作り、何か決めごとが必要な場合は皆で話し合って決める。山林の資源を効果的に使い、必要なら水力発電や太陽光発電に組み替える。有機栽培を行い、農薬は使わない。遺伝子組み換え作物は作らない。日本固有の種苗を確保する。化学製品を極力使わない。都市部の緑被率を高める。外来種の侵入は歓迎すべきではないでしょうが、これは自然に淘汰されるものですから、むやみに外来種駆除はすべきでないでしょう。自然は賢いですから、自らの種を繁栄させたい本能があります。その地に適合するなら、それもあってもいいと思います。日本人がなすべきことは、かつての里山を取り戻す。これに尽きるのではないかと思います。