わたしは、白い雲になる

2016-02-27
最後のあの日も
春を待つ雨の中
多くの方々が社長の「閉店の言葉」に心を傾けてくださいました。



県民百貨店が終了して一年。
ここに、​MJ社長からお客様へのご挨拶(ほぼ全文)を掲載いたします。

県民百貨店社長として ではなく
岩田屋伊勢丹から県民百貨店まで
このお店に携わった全ての者を代表して
ご挨拶申し上げます。

この地で42年間 百貨店として営業してまいりましたが
​今この時閉店いたします。

長い間 温かく優しく見守っていただき
また ​​時には叱咤激励していただき
本当に家族のように接していただきました。

ここにいらっしゃる皆様方をは​​​​​​​じめ​​​​​​
この百貨店を愛していただいたお客様は
私たちの誇りであり宝物です。
こんなにも素晴らしいお客様に愛されて
私たちは 日本一幸せな百貨店です。

思い起こせば昭和48年10月
岩田屋伊勢丹ショッピングセンターとして誕生して以来
岩田屋伊勢丹、熊本岩田屋、くまもと阪神、県民百貨店と
名前は変わっていきましたが、百貨店として営業継続が出来ました。
これはお客様からの絶大なご支持の賜物だと思っております。

今までにお客様からいろいろなお手紙をい​ただき​​​​​​​​​ました。
その中で
この建物の思い出を数多くい​ただき​​​​​​​​​​ました。
この白い建物がなくなるのが寂しい と
何度も言われました。

店がなくなることは私たちも皆さんと同じようにつらいし悲しいです。

この白い建物も8月から取り壊しが始まり
​​来年の夏頃には
​​姿を見ることができなくなると思います。

だけど
私は県民百貨店は壊れてなくなっていくのではなく
白い雲になって空の上からみんなを見守ってくれると思います。

ときには空を見上げて、ここで過ごした時間を思い浮かべてください。
きっと心が落ち着くはずです。
きっと支えになるはずです。

県民百貨店は白い雲になります。

名残はつきませんが42年間続いたこの百貨店は閉店いたします。

本当に、本当に有難うございました。






あの日の雨は
私たちの思い出の地に染みわたり
涙を空へ持ち帰るために降った雨なのかもしれません。

これからきっと
時間をかけて
桜町に浮かぶ白い雲になっていくのでしょう。


2011年2月14日 熊日夕刊掲載 くまもと阪神「一生青春」シリーズ37

※クリックすると拡大できます。

こちらは、県民百貨店になる直前の
くまもと阪神「一生青春」シリーズ最終回。

県民百貨店になってもこのシリーズが継続できるのか未定だったので
販促スタッフで話し合い、この回が最終回ならばとの思いで
商品ではなく建物自体を主役にしました。
(2か月後、県民百貨店での「一生青春」シリーズが始まりました)

最終回では建物の自慢の数々―
「高い天井」や「お城の見える休憩所」「広い階段」「展望エレベーター」
そして「日本(の百貨店の中)でいちばんゆっくり進むエスカレーター」などを掲載。
お客様の安全に配慮したそのスピードは1分間に25メートル(時速1.5キロ)という速さ、というか、遅さ(笑)

ゆっくりした時間、ゆったりした空間が
お客様はもちろん、働く私たちの心にも幾度となく優しい時間を紡いでくれました。
ありがとう、白い百貨店。
ありがとう、桜町。


2015年10月、月の綺麗な夜(モノクロ)

ここ数日は「閉店から一年」という話題が
熊日新聞はじめ熊本のニュース番組でも流れはじめています。

2月29日(月)放送のTKUテレビ熊本「みんなのニュース」でも
午後6時15分頃から特集が予定されているようです。
(株)県民百貨店時代に入社したM上さんの
懐かしいあの笑顔が見られるようですよ。

さてさて、3月は熊本岩田屋時代のとっておきをご紹介する予定です(^^)
乞うご期待!!